展示会主催のうらがわ ヴェイパーヴェイヴ展よりレポート
ヴェイパーヴェイヴ展:レポート
大盛況のうちに幕を閉じた「ヴェイパーヴェイヴ展」(2023,03,21-26)について、当展示会のアートディレクション及び統括を務めたニロス屋さん(@nirohsy)によるレポートを次回開催のために報告します。
1 ヴェイパーヴェイヴ展とは
気鋭の若手クリエイターによる、日本初の"vaporwave"をテーマにした展示会が開催。
チルでポップなネオン空間でアートとファッションが楽しめる。
以上が「ヴェイパーヴェイヴ展」のプレスリリースの本文である。
展示会への来場者数は当初予想の2倍、本会場における平均の3倍にまで及び、悪天候にも関わらずたくさんの人で溢れた。3Dデモで試作を重ねた会場ライティングの雰囲気作り込みは秀逸で、どこで誰が写真を撮ってもエモく決まるためSNSにたくさんの写真が上げられた。SNSに溢れるヴェイパーヴェイヴ展写真がまた人を呼び、会期中に見つけて大急ぎで遊びに来たという人もいた。来場客の満足度も予想を上回り、会期中に複数回訪れる人もいた。
"ヴェイパーヴェイヴ"のキーワードを元に構成された当展示会は、たくさんの人に受け入れられ素晴らしい結果を残したといえる。
2 ヴェイパーヴェイヴ展ができるまで
ヴェイパーヴェイヴ展主催は3名構成であり、それぞれがクリエイターでもある。
1:09(イラストレーター)
panzoo(グラフィックデザイナー)
ニロス屋さん(3Dデザイナー)
この3名が会ったのは2022.05デザフェス会場で、お互いの作品のファンだったことがきっかけである。お互いに共通するテーマを持っていたこと、1人ではやれない面白い事が出来ないか探していたタイミングであったことが重なり「ヴェイパーヴェイヴ展」開催のひな形がその場で作られ、爆速で実行に移された。
それぞれが"ヴェイパーヴェイヴ"だと思う作家を紹介し合ってメンバーを選定、また展示会開催のための資金調達の方法や開催地の候補出しを行い、深夜まで路上でアツく語り合った。
18のクリエイター達は遠方にいる方もいるため各々の初コンタクトはzoomでの音声のみ会議だった。初めましての人がほとんどだったがそれぞれ主催のイチオシクリエイターなのでまずはスカウトしてきた主催によるべた褒め大会が開催され、こんな新作が見たいだとかここが凄いんだという推しプレゼン大会に着地した。ここについては後述する。
難航したのはやはり資金調達で、9月〜12月にクラウドファンディング、1月〜3月は公式オンラインショップを立ち上げ、売り上げをそのまま運営費とする構成にした。なんとかなりました!購入してくださった皆様、あなた方のおかげでなんとか開催できました!ありがとうございました。
展示会についての情報発信は展示会用アカウントを設けず、LPページを設置してウェブサイトにアクセスすればまとまった情報が得られるようにした。LPページのデザインについては2度改修しており、最終的にたくさんのグラフィックが入ったとても見応えのある楽しいページに仕上がっている。こちらのページはwix1年契約なので見れる今のうちに開いてほしい!
3 メンバーを紹介するぜ!
まずは主催の3名
1:09
イラストレーター
ヴェイパーヴェイヴ展のキービジュアル、アバター『MEME(ミーム)ちゃん』の原作者。アイデア出し、外交、営業に妙な才能がある。
Panzoo
グラフィックデザイナー
Adobe(動画)最優秀賞を取ってからというものガンガン上がっている注目度No.1のデザイナー。クラファンデータ管理、作業補佐など。
ニロス屋さん
3Dデザイナー
3人居るとか1日50時間人間とか噂の技術担当。3Dモデリング、cluster ワールド作成、全体のアートディレクション総括を担当。勉強のモチベが高い性質。
ここから展示メンバー
以下コメント、
1:09→1)
panzoo→p)
ニロス屋さん→ニ)
Ff00ff-ink
イラストレーター
直筆画で圧倒的な絵画を見せてくれる。ピンク色の専門家。CMYKでもRGBでもブレない鮮やかなピンク(マゼンタ)を見れるのはこの人だけだと思う。
サトウ リク
イラストレーター
チルな線画が魅力のイラストレーター。3Dビジュアルの部屋空間と組み合わせる新感覚なグラフィックが魅力。返信が爆速。
OyasuMe
イラストレーター
深い感情表現と濁る混色なのに鮮やかな色彩が唯一無二の作家性をみせている。初挑戦にしては上手すぎるボカロMVの動画制作も見てほしい。
TOM DISH
立体作家
シティポップの風を感じさせる流動的なフォルムと色彩が魅力の立体作家。キラ!と光る瞳がチャームポイント。
sanamaru
デジタルアーティスト
AIと自分のグラフィックを掛け合わせる、最先端のアーティスト。平成初期オタクコンテンツを彷彿とさせる細かいネタが全然見飽きさせない。
endoushinji
グラフィックデザイナー
ロゴ、イラスト、なんでもできるグラフィックデザイナー。アルバムジャケットのようなイラストシリーズを本展示では見せてくれた。
もじや
作字デザイナー
その名の通り作字がとっても好きなデザイナー。作字キーホルダーシリーズの人気がめちゃくちゃ高く、レジ係が泣いた。
PEPE SWANSEA
透明服飾デザイナー
透明PVC素材を使ったハーネスやコルセットなどの魅力的すぎるファッションアイテムの虜になる人続出。受注会による限定販売が基本のレア品。
JISS
文房具系アクセサリー
好奇心をくすぐる、"JISS"規格をクリアした計算通りのアクセサリーブランド。これは…もしかして○○⁈て話をしながら見ていくのも楽しい。
三ツ目重工
アクリル系アイテム雑貨店
ゲーム世界のようなデザインのアクリルグッズが目白押し。本展示では密閉パックのようなブリスターパック風チャームのシリーズが初御目見した。
PINEMA
映画ネタアクセサリー屋さん
会場が『元映画館』だから絶対スカウトしよう!と満場一致でお声掛けしたアクセサリー屋さん。みんなも好きな映画ネタがあるはず!
723-seven two three-
半透明服飾デザイナー
オーガンジーのふんわりとした半透明の生地を使った服やアイテムを仕立てるデザイナー。素晴らしい技術と夢見心地になるようなデザインで芸能界にも多数ファンがいる。
たゆうおわ
写真家
現実と幻想の間にいるような一瞬を見せてくれる写真家。満開の桜…のピンクにも実は秘密がある。会場でもたくさん素敵な写真を記録に残してくれました!感謝、、
のんたん
映像作家
ノイズとgifなテクスチャがクールな作品群をぜひポートフォリオサイトで見てほしい。膨大な作品数1つ1つに独自のテクスチャがあり、とても楽しいので…!
おかしステーションNASA
パティシエ
今回さまざまな作家とのコラボお菓子で来場客をことごとく魅了したお菓子屋さん。みんなはどれが好き?私は丸いホロホロ崩れるサブレのやつ!
番外編:会場『元映画館』について
今回ヴェイパーヴェイヴ展の会場になったのは東日暮里にある『元映画館』(最寄り駅:三河島駅)である。立地のディープさ、元々は街のシアターだったという経歴、すべてがノスタルジーとチルをコンセプトにもつ今回の展示とがっちり合っているのである。普段は美大生の進級展や作家の個展に使われるなど、美術界寄りの知名度の高い場所である。2階にはBAR『シネマのあとで』が併設され、根強いファンも多い。聞くところによると個人のシネマパーティーにも使われることもあるとか。知る人ぞ知る特別な場所である。
一般的なホワイトボックスの展示場とは一線を画す、想像力と親和性を試される場所でもある。
4 次回予告
「ぜひ次回開催を!」の声が多数上がっているヴェイパーヴェイヴ展、この現メンバーでのカムバックを11月デザフェス会場にて行う予定だ。今回の運営費から全部持ち出しで現メンバーと今回来場してくれたみなさまへの感謝、来場し損ねた方へのアピールが目的である。中には独自のブースで出展するメンバーも居るので、一部分店扱いになるものもあるがメンバー会場マップ等も用意してヴェイパーヴェイヴ展で出会ったクリエイターのみんなと来場者のみなさまを引き合わせたい。
次回予告(新作)2024.03予定
実はもう主催の1:09から次回作についてのアイデアをもらっている。"サイバーチャイナ"だ。
展示会名はキャッチーで覚えやすい日本語にしたいので『404チャイナ(エラーチャイナ)展』(仮題)が最有力である。照明は今回のピンクと印象を変えるためブルーと白をベースに水色ネオンな会場になる予定だ。テーマが変わるためメンバーも再度スカウトし直し、会場に3D/AR要素を散りばめ、よりディープでエキゾチックかつ近未来な楽しい現実逃避を作ろうと思う。もちろんお菓子やドリンクもある!!ぜひ遊びに来てほしい。
以下は課金すると読めるようになるエリアである。おすすめなのは
・今後、展示開催&主催を考えている
・ヴェイパーヴェイヴ展開催の苦労話が知りたい
方である。
今回レンタル備品を発注した場所、予算や、サンプル品の発注先などクリエイターにとってヒントになる部分もあるかと思う。9000文字超です。想定より増えた・・・
ではどうぞ!
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