物忘れ日記 ときどき猫とか本とか映画とか:Vol. 3 無声映画観賞会

梅雨の晴れ間というには晴れ過ぎの土曜日。人情溢れる深川、門前仲町まで無声映画観賞会に行ってきました。


三作品の中でもフィルムが部分的にしか残っていない『槍供養』がココロに残りました。良い上司と悪い上司の典型みたいなお侍さんとそれぞれに仕える家臣が出てきます。良い上司に尽くすのはわかりますが、悪い上司にだって忠義を尽くすのです。今みたいに「もう、やってらんねー」などとは言いません。そして、繰り返される「命より大事なものはない」というセリフ。現代にも通じるテーマ、人間模様と思いました。

人情溢れる町で、人情溢れる映画を観ることができました。


映画を観終わって駅への道すがら、水路を散策していた白い鳥。『槍供養』は1927年の作品。それからおおよそ100年の間に、日本人はいろいろと大切なものを失ってきたのかもしれませんね。生活ははるかに便利になりましたけれども。

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