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夜空の潜水艦

夜空の潜水艦

少年・蒼(あおい)は、夜になると決まって夢を見る。夢の中で彼は、夜空をゆっくりと進む潜水艦の乗組員になっていた。潜水艦は星々の海を漂い、月の影をすり抜け、流れ星の群れの中を航行する。

「ここはどこなんだろう?」

蒼がそう呟くと、艦長らしき長身の人物が微笑んだ。

「これは、君の心が生み出した海さ」

艦長の言葉の意味はよくわからなかったが、不思議と安心感を覚えた。潜水艦は、夜ごとに異なる航路を進み、宇宙の深淵へと旅をする。やがて蒼は気づく。この船は、彼の願いや記憶の断片を運ぶものなのだと。

ある晩、潜水艦は夜空の裂け目に差しかかった。そこから差し込む光の中に、蒼の幼い頃の姿が見えた。懐かしい声が響く。

「ねえ、一緒に帰ろう?」

しかし蒼は、ただ静かに微笑んだ。そして潜水艦は、再び夜の深海へと潜航していくのだった——。

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