【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その4 双葉中学と繋がらない道】
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更地だらけになった前田地区を抜け、双葉中学校の手前の住宅地へ。ここはまだ未見だったので、行きたいと思っていた。事前にGoogleマップで確認していたが、やはり実際に行くとほとんどの家屋が解体され、3軒しか残っていなかった。一部、ずらっと太陽光パネルが並んでいた。少し高い位置に設置してあったが、高さ的にこの下で何か作ったりすることは難しいように見える。特に花や作物の栽培などの将来的なことを見据えて設置したようには見えなかった。
アップダウンの激しい道を抜け、双葉中学へ。ここにくるのは2020年6月以来。あの時は校庭が資材置き場として使用されていたが、今回もそうだった。ダンプも何台も停まっていた。荒らされているようで気分は悪い。そして最悪なことに、「解体・除染をしています 令和6年3月29日まで」と書かれた看板が立っていた。ついに双葉中学も解体なのか… 大熊の双葉翔陽高校は「解体」という話が出てから3年以上経つが、今もまだ残っている。双葉中学もそうであってほしいのだけど。
この日は、福島へ向かう電車の中で、双葉駅西住宅に帰還した田中豊さんから「会って話したい」という連絡を受けていた。田中さんとは、1月20日に加須で行われた「双葉の会」で、酒を酌み交わし様々な話をしていた。この日も、どんな話があるのかわからないが、ぜひ帰還した人の声を聞きたいと思ったので、会おうと思っていた。
双葉中学のある山を通り抜け、駅西住宅に向かおうと山を下ると、目の前に工事現場が現れた。復興住宅とセットの公園が整備中だった。以前歩いた駅へ向かう道はバリケードで封鎖され、直進も禁止とされ、迂回路は前田へ戻る道。つまり、引き返すしかない。
僕は思わずその場で「何だこれは!? 馬鹿にしてんのか!」と怒鳴ってしまった。確かに、こんなところを歩くのは僕一人しかいないのかもしれないが、それにしても何なのかと。たとえ少なくとも、仮にも100人以上が住むようになった町で、このめちゃくちゃな道路インフラは何なのかと。
「何が復興だよ! これのどこが復興だよ!」やりきれない思いで叫びながら、僕はその場で10分ほど立ち尽くしてしまった。
<続く>
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