【2024年10月、双葉大熊富岡取材その13】消えた大野児童公園と大熊町図書館
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消えた大野児童公園
意味不明な巨大建造物を見せつけられながら、辟易しながら大野駅東口へ行くと、駅前にあった大野児童公園が駐車場になっていた。遊具が撤去された頃から、いつかこんな日が来るとは思ってはいたが、なかなか衝撃的な光景だった。確かに大野駅周辺は線量が高めで、避難指示解除されたとはいってもこの周辺に子どもが住むとはあまり思えないのだが…しかし公園がなくなるのはやはり寂しい。
大野駅東口
大野駅西口は解体が進みほぼ何もなくなったなかで、東口にはまだ少し原発事故当時の建物が残っている。新しい建物もわずかだが建っており、避難指示解除されたのだなと実感する(僕は決して賛成していない)。ところどころ1.0μSv/hを超える場所がいくつもあり、相変わらず大熊は線量が高いなと感じる。
再汚染?
かつて大熊町図書館があった場所へ向かうと、手元の線量計が急にけたたましく鳴り始めたので何事かと見てみると、1.8μSv/hを超えていた。確かに図書館の周囲の汚染はそれなりに酷かったが、解体してだいぶ下がったと思っていたので、これには少々面食らった。しかも、そこは元々公営住宅が建っていた場所で、ここまで高い数値ではなかったはずなので、頭のなかで「再汚染」という言葉がよぎった。
強風や豪雨、台風など、天候により放射性物質が移動し再汚染されることは、東大の小豆川勝見助教が話しており、僕も実際にそういう現場に居合わせている。飯舘村などでアドバイザーを務めてきた初代原子力規制委員会委員長田中俊一氏は、かつて新聞のインタビューで「放射性物質は飛ばない」と述べたが、竜巻などで家や車が空を飛ぶ時代に、そんなことがあるわけがない。実際、浜通りに住む人々の間では、強風のときに空間線量が上がるというのは常識である。
消えた図書館
公営住宅跡
整備中の遊歩道へ
そのまま、溜池があった場所へ。かつては町民の憩いの場所だった人工の小さな湖は、除染のために水が抜かれ、護岸工事が行われている最中だった。遊歩道は工事中で立入禁止だったが、通れそうなのでそのまま進んだ。
初めてここを訪れたのは2022年の1月だったか…この場所の立入規制が解かれて確か2、3ヶ月の頃、読売新聞の若い記者に声をかけられた。震災当時は北海道の中学3年生で、卒業式の日だったという。絵本の宣伝もしたし写真も撮られたが、結局、記事になることはなかった。僕が線量計を持ってたので、「幾つですか?」と聞かれ、「1.5μSv/hくらいです」と答えると「高いんですか、それ?」と聞かれた覚えがある。
ここも変わってしまうのだな…と思いつつ写真に収めた。
<続く>
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