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【2024年10月、双葉大熊富岡取材その2】解体家屋の『墓標』
「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。
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<続き>
双葉駅前で遊ぶ子どもたちの姿に、微笑ましさよりも驚愕してしまい脱力したが、気を取り直して歩き出す。
この日は、R288の歩けるところまで(帰還困難区域との境まで)行こうと決めていた。というのも、僕の知っている人たちが何人か、R288の道路脇の線量の高さをFacebookで訴えていたからだ。歩けるところまでではそんなに高い場所はないかも知れない、と思いつつ、やはり自分の目で確かめないと気が済まないと考えたからだ。
倒壊したままの歩道橋
双葉駅から南へ向かって歩き出す。幸い、双葉駅の南側はさほど線量は高くない(といっても、大熊町との町境に近づくにつれ上がり、結局は帰還困難区域になるのだが)。
せんだん通りを少し進むと、駅から見えていた歩道橋に辿り着く。ここは3.11で壊れたわけではなく、21年2月13日の地震で壊れたわけでもなく、22年3月16日の地震で倒壊したものだ。それ以来、2年半以上に渡って途切れたままである。お陰様で、駅西住宅側も工事の最中であるため、双葉中学に行こうと思えば前田地区を経由して遠回りしなければならないという不便な状態がずっと続いている。まもなく双葉中学も解体され消えようとしている時に、卒業生にとっては何とも腹立たしい事態ではなかろうか。
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双葉北小も南小も、今現在は特に解体するという話は聞いていないが、双葉中学は解体するという。聞けばこの中学は原発マネーで校舎や体育館が一新されたといい、穿った見方をすれば、原発マネーに頼っていた過去をとにかく「なかったこと」にしたいという強い熱意を感じてしまう。
線路脇の廃墟
さらにせんだん通りを進むと、新山城址の手前にある廃墟が目に入ってくる。この廃墟、双葉町の立入規制が緩和された2020年3月からずっと見ているが、いつまでも解体される気配がない。持ち主と連絡がつかないのか、持ち主が拒否してるのか。何にせよ、たとえ廃墟でも震災前の風景を残してほしいと思っている人たち(僕も含め)にとっては、残っているのはありがたいことではある。
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解体家屋の「墓標」
新山城址を過ぎ、自性院の墓地の前まで来ると、かつてあった家屋が解体されたばかりの更地があった。更地の上に解体家屋番号の書かれた札が立ち、その後ろに「放射性廃棄物」となったかつての住民の財産である家財道具や土を詰め込んだフレコンバッグ。何ともいえないその雰囲気に、僕は思わずシャッターを切った。この光景は、何とも痛烈なものがある。
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常磐線をくぐり抜ける小さなトンネル
そこからさらに進み、常磐線の下をくぐる小さなトンネルまでやってきた。ここは、グーグルマップのストリートビューでもはっきりとは見えない。かつて近くを歩いた記憶を辿ると、そういえば小さいトンネルがあったような…しかしその雰囲気から、実際に通ることは躊躇っていた。今回は、勇気を出してここを歩いてみようと思っていた。もしかすると放射性物質が溜まってかなりの高線量かも知れない。しかしここは避難指示解除されている場所だ。立入禁止でもないなら、実際に歩いてどの程度の空間線量なのか自分で調べなければ。
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トンネルをくぐり抜けた先
かくして不気味な小さいトンネルの中に足を踏み入れたわけだが、果たしてそこは周辺地域と変わりなく、0.3〜0.7μSv/h(震災前の7〜18倍)程度だった。トンネルをくぐり抜けた先には、今年2月に歩いたばかりの住宅地。といっても大半が解体され、今や残っているのは3軒ほどとなり、更地の上には太陽光パネルがずらっと並んでいた。
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ここに住むでもなく、農業をするでもなく、こうするしかなかった。
<続く>
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