2020年3月福島取材⑧/加害者は東京電力
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その後、苅野小学校そばの標葉神社へ向かう。グーグルマップでは神社の入口がどこかは書いてないので、結局、神社の周りをぐるっと回ってしまうことが多かったりする。
(加倉スクリーニング場近くのフレコン置き場。昨年11月に来たばかりだ)
標葉神社到着。
線量は比較的高めだ。
元々寺社仏閣巡りが好きな僕ではあるが、どうしても福島取材ではテキトーになりがちだ。今確認してみたが、この神社にはもっと見所があるのに、どこも撮れていない。線量計をぶら下げてただひたすら写真だけを撮って、どうにも意識が肝心なところからぶっ飛んでいるのだろう。
東日本大震災郷土復興祈願の碑。
浪江町の様々な神社に建てられた慰霊碑の多くは、メディア等が地震、津波と原発事故とを分けて伝えたがるのに対して、しっかりと全てを伝えている。そして、『東京電力第一原子力発電所』のように、原発の名前から「福島」を外していることが多い。僕はこれは、あくまでも福島は被害者であり、加害者は東京電力であるという意志表示だと思っている。
慰霊碑に手を合わせ、神社を後にする。
郵便局は営業していない。僕が知る限りでは、駅周辺しか郵便局は営業していない。ここから駅前の郵便局までは、4kmほどある。
ダンプが走り抜ける。除染で出た汚染土を運搬するダンプには必ず、「除去土壌等運搬車」の旗がつく。環境省が汚染土壌を使った鉢植えを記者会見で出してきたが、あの土もこうして運ばれてなければ「違法」だ。
美しいが耕作地ではない。ただの平地、荒野だ。
請戸川とフレコンバッグの仮置場。ここに来るのは4度目か5度目か。台風でやられた痛ましい姿が放置されている。
川の水から濁りは消えたが…
このエリアの線量は高い。
昨年11月にも訪れ、絵になった場所。やっぱり異様だ。
フレコンバッグが埋められている。
(異様な白い壁)
請戸川の向こうに、もう一つフレコン置き場が見える。
フレコン置き場というより、もはや「白い物体に緑の頭」。そう感じた。
この時はまだシートがかけられていたが、左奥の待機しているダンプを見る限り、ここも間も無くフレコンバッグの移動が始まりそうな気配だ。五輪までに見えないところに隠したい。
しかし皮肉なことに、放射能は隠せてもウイルスは隠せない。COVID-19で五輪は延期になったが、果たして来年開催されるのか。
フレコン置き場を後にして、昨年11月に通ったばかりのスクリーニング場方面へ。
ここにも猪の掘り返した跡。
この工場も解体か。
(スクリーニング場)
「住民一時立入」と書かれている。避難先からグループで来ているのだろう。
「農地転用許可済証」「土砂仮置場」。
昨年11月に見つけたこの場所。どういう土砂の仮置き場なのか。フレコンバッグに線量は書かれていない。
高台の手前で左折、高線量の道を抜け、駅方面へ向かう。
毎時2.0μSvは簡単に超える。
右の雑木林に近ければ近いほど線量は上がる。
駅に徐々に近づくにつれ、家が何軒か見えてきた。解体中のものもある。
<続く>
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