2019年11月、浪江取材/浪江高校
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小高より浪江高校を目指す道すがら
歩道から土砂崩れが起きている。10月の台風によるものだろう。
酒田のから堤。「現在は基盤整備された立派な水田となっている」平成19年には立派な水田だったのだ。それが今や…
南相馬と浪江の境付近の家は帰還している家が多かったように思う。こうして家庭菜園を作っている家も多かった。ちなみに子供の声や姿を見たことはない。
県道を外れ、雑木林の脇を歩いていると線量が上がった。
除染をしても、こうした木の上から放射性物質が舞う。今でも福島第一原発からは放射性物質は吐き出され続けている。震災前の1ヶ月分以上を1日で出しているという。
一瞬、常磐線と並走。左の森の中はもっと線量が高いだろう。
浪江高校を目指す。この裏手には常磐線の下を通り過ぎるトンネルがあるが(上の写真とは別物)、とても立派なものに作り変えられていた。
ちょうど、浪江行きの電車が走っていった。
浪江高校到着。校庭は凄まじい勢いで藪に覆われていた。
小中学校のい校庭は定期的にしっかり管理されてる印象があったが…ここは荒れ放題という印象だ…
なんて光景だろう。思わず息を呑んだ。
中に入るには門を乗り越えなければいけない。日曜のため通りがかる車はほとんどない。この日は遠慮したが…いつか敷地内に入って撮影してみたい。
切ない光景。残念ながら、絵になる光景。
震災当時ここに通っていた生徒たちは、今は20代半ば。今どこで何をしているだろう。避難指示は解除されたが、浪江に戻って暮らしたいと考える若者はいるだろうか。
浪江高校といえば、RADWIMPSの『空窓』という曲がある。
https://radwimps.jp/wimps_repo/post_9813/
RADWIMPSはW杯がらみで的外れな曲を作って炎上したことがあるが、そんなことは置いといて、単純にこの曲はいい。僕は浪江高校に来て、この曲の歌詞が少し浮かんだ(全部は憶えてないw)。
花が咲いている。いちいち美しいから悲しい。
長距離を歩いて見て回るのがこれまでのパターンだが、これからは一箇所を重点的に見ることも大切かもしれない。それぞれの場所に様々なドラマがある。未だ復興など程遠い福島だが、これから少しずつ様々な建物が壊されて“復興”が演出されていくだろう。なくなってしまう前に、しっかりと見つめなきゃいけないものがたくさんあると思う。
藪の向こうの自転車置き場。荒れることもなく、当時のままだ。
もっと見たい衝動に後ろ髪を引かれながら、浪江高校を後にする。次の目的地は加倉錦のフレコン置き場。
記念碑の後ろにはモニタリングポストが立つ。
モニタリングポストの値は0.306μSv/h。
手元ではこれ。これくらいの差は当たり前だ。
こういう場所では、いつもいたたまれない気持ちになる。勝手な人間が神聖な場所を汚してしまった。
放置された軽自動車。
花は美しいが…
線量が上がる。常磐線より山側の請戸川やR114沿いは空間線量がやや高めの印象だ。
加倉大橋。ここを通って川を越えればローソンがある。今回はここは通らない。ここよりも一本西の橋を渡り、請戸川沿いのフレコン置き場を目指す。
<続く>
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