2021年2月双葉町取材の記録(写真)その6/旧双葉町役場と「原子力明るい未来のエネルギー」
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旧双葉町役場
「原子力明るい未来のエネルギー」
旧町役場脇の空き地には、ブルーシートで覆われた大きな物体がある。これこそが、かつて「原子力明るい未来のエネルギー」の標語を掲げていた支柱そのものである。今、双葉の原子力災害伝承館にはレプリカが展示されている。現物は文字盤だけが、伝承館の倉庫に眠っている。
2015年12月に一度は解体され、放棄される危機にあったが、標語を考えた大沼勇治さんが「負の遺産」としての保存を訴え、文字盤だけが救われた。その文字盤は長らく会津の福島県立博物館の中で保管されていたが、原子力災害伝承館が開館した後、大沼さんの強い訴えにより、最初は写真だけの展示だったが、現物が支柱のレプリカに設置され、一度は伝承館の裏手に展示された。
それからわずか数ヶ月後、結局この文字盤はまた倉庫の中に消えた。「劣化するから」というのが表向きの理由で、今は伝承館の裏手にレプリカが展示されている。
本来なら、このブルーシートに覆われたままの支柱を修理し、そこに現物の文字盤を設置して、双葉の原子力災害伝承館の正面に「負の遺産」としてしっかり展示すべきもの。しかし、この文字盤は、双葉町から福島県の管轄へと移され、今も誰の目に触れることもなく倉庫の中で眠っている。
作られた堤とその上に植えられた樹
旧双葉町役場のすぐ南には中間貯蔵施設エリアが広がる。その間には堤が築かれている。この堤は、阿武隈の山を削り、そこから運んできた土で作られている。その堤の上には植樹がされ、これが将来成長した暁には、中間貯蔵施設エリアが見えなくなる。
放射能で環境を汚染し、さらに山を削るという環境破壊を行なって、その尻拭いをする。二重に罪深いことをこの国は行なっている。
日も傾いてきたので、寄り道しつつ双葉駅へ戻ることにする。
<続く>
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