2019年11月、浪江取材／寂しい風景

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。

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＜続き＞

打ちのめされた気分で駅へ向かう。時期が時期なので、17時には暗くなってしまう。暗くなればイノシシが街中に出てくるので、いつも16時28分浪江発富岡行の代行バスで戻ることにしている。

かつて家があった場所が更地になり、雑草が生い茂る。

請戸川。台風の傷跡が生々しい。

遠くに見えるビニールハウスは、実証実験だろうか。大きいな…

ここは入り口がブルーシートで覆われていたはずだが、取れている。ここも解体されるのか？

ここは…何を作るのだろう。ハリボテをいくつ作っても虚しいだけだ。かつての浪江は戻らない。

「株式会社ニーズ」駅前でやたらと目についた。19年の夏に行った時からだ。

向こうに請戸川。請戸川の護岸工事は18年からずっと行われている。終わることはあるのだろうか？

町役場。もうイベントは終わっただろうか。この日は、前述のように、11/24に行われる予定のももクロライブの無料チケットがここで配布され、それに伴ってイベントが開催されていた。全国から“モノノフ”が集まっていたが、彼らの誰か一人でも、町なかの様子を見ただろうか。

SNSで調べた限り、その気配はない。

土曜日だが定休日。利用客のほとんどが平日に来る作業員だからだ。

ここも多くの建物が解体され、寂しい通りになった。

ここにも「株式会社ニーズ」。何なの？　またハイエナ？　イライラするばかりだ。

ここも更地。

浪江小学校入り口。まるしぇ３周年第３駐車場というが…

ろくに草刈りもせず、一台も車は止まらず。ナメてんの？　バカにしてんの？　僕は車を持たないが、持っていてもここに停めたくはない。

公園もこの有様。なのに…

第４駐車場？　ぜってえバカにしてんだろ　ふざけんなよ　ひたすら心が荒む。

拡散された放射性物質の飼い主、東京電力は、何か「あとしまつ」をしただろうか？

浪江幼稚園。

台風の影響か、正面の門が壊れていた。

ここは18年12月に訪れた時はしっかり建っていた。その正門が倒され、そのまま放置されている。台風のせいだとしたら、あまりに残酷だ。

解体され放射性廃棄物になる「家」。持ち主は、どんな思いで受け止めているのだろう。解体現場に立ち合う人もいれば、辛くて見れないと現場に来ない人もいる。当事者の心情は、僕らは想像することしか出来ない。

ここもいずれ解体されるだろう。倒壊すると危険だから？　いいえ、全ては五輪のために。

駅前には既に代行バスが着いていた。前の便が着いてから約４時間、どこでどう過ごしているのだろう？

浪江駅前の線量は意外と高い。…と言っても、この駅より西側はこんなものではないけど。

富岡駅で乗り換え。ホームから海を見ると、漁港の向こうに船が見える。見慣れた光景だ。

いわき駅着。この日の積算線量は、7.5時間で1.63μSv程度だった。海側を歩いたのでさほどでもない。

ここの１階で惣菜と酒を買い込み、部屋で１人呑みとしけ込む。ご当地グルメにはなかなかありつけないが、酒についてはここは揃ってるw

メヒカリの天ぷら。

磐城寿500ml飲みきりタイプ。

１日目は、マリンパークなみえに行けなかったのが残念だった。請戸漁港周辺を車ではなく徒歩で来たのは初めてだったので、その意味では収穫はあったが…幾世橋小学校については、教室の黒板に書かれていたメッセージが消されていたことがひたすら残念だった。あれを消した人は、どんな思いで消したのだろう。見たくないものを見ないようにするためか、断腸の思いでやむなく消したのか。後者であったと信じたい。

明日は桃内へ行こうと思う。

＜続く＞