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【2024年10月、双葉大熊富岡取材その8】双葉高校

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<続き>


荒れ果てた双葉町

 今年2月に双葉町を訪れた時と比べて「荒れ果てた」と特に強く感じたのは、ここ、双葉高校だった。今年2月に訪れた時は、正門前を少し見ただけでよく敷地内を見てはいなかったのだが、今回、校庭側を外からでも眺めてみて、思わず声が出てしまうほど放置されていたからだ。勿論、2月時点でこちらを見ていれば、その時にも同じ印象を持ったのかもしれないが。

双葉高校正門

放置されたスクールバス。
福島県立双葉高等学校。
駐輪所には原発事故当時のままの自転車。
校庭の周辺を回る。突き当たりには桜並木がある。
周囲の家。更地とその奥の解体を待つ家。

前田川の土手

桜の木が見える。
橋。ある意味デートスポット(高校に近すぎてデートしたくても出来ないが)。
前田川(西側)。
前田川(東側)。

グラウンド(校庭)

 かつて双葉高校のグラウンドは、定期的に整備されていた。フレコンバッグの仮置場になった後、除染し、定期的に草刈りが行われていた。すっきりした校庭は、場所によっては猪が掘り返し、場所によっては鹿などの野生動物の糞が放置されていた。

 それが、今回は校庭一面が雑草で覆われ、ところどころ木が生えて生い茂っている。セイタカアワダチソウは自らの毒で枯れ、今はススキが多数生えている。つまり、それだけ時間が経過している。

春夏の甲子園へ向けた日数が書かれていたスコアボードがあった
体育館前にも大きな木が生えている。
奥の高台の上に建つのは東電社宅。

傾いたままのフェンス

前田川。

 もしかして、避難指示解除された22年8月末まで定期的に整備されていた県立双葉高校の校庭は、それ以降はずっと放置されているのではなかろうか。避難指示解除=一次除染完了であり、もしかしてそれっきり草刈りも何もされていないのではなかろうか。

 双葉高校のグラウンドを写真や動画などで撮影しながら、沸々と怒りが沸いてくるのがわかった。避難指示解除をすれば後は野となれ山となれ。都心から出張者が来る産業交流センター周辺だけを取り繕って、帰還者は勿論、金で釣った駅西住宅への移住者さえも置き去りにして、それを「復興」と喧伝する。これのどこが「復興」なのか。

おにぎりや まんてん

駐車場になった廃工場

工場跡地はダンプの駐車場になったようだ。
アスファルトから木が生える。

廃屋

 双葉高校の周りをぐるっと歩き、廃墟を撮影していると、R288の方からパトロールの車がやってきた。パトロールの目の前で堂々と廃墟を撮影するのは流石に気が憚られる…と思っていたら、そんな気持ちを持つことが馬鹿馬鹿しくなるような呆れた出来事がこの日は待っていた。

<続く>

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