2018年5月福島、いわき〜富岡〜浪江駅
<続き>
半年ぶりの福島取材、2日目は、浪江駅前を歩く。
富岡を歩いた1日目は、夕方、知人のOさん夫妻と偶然出会い盃を交わすことに。呑みすぎないよう注意しつつ、比較的早く就寝、2日目は電車の時間がうまく合わないため遅い出発、そのため疲れはあまり残らずに済んだ。
2日目は少し範囲を狭めて、それぞれの場所をもっと深く見ていこうと考えていたが、結局今日も10km弱の道のりを歩くこととなった。
常磐線にていわきを出発する。富岡までは約40分。
これは…末続駅付近だったろうか。田んぼには水が張られ、田植えの準備がされていた。
木戸駅周辺。広野を過ぎるとフレコンバッグの山があちこちに見えてくる。
富岡駅前のフレコンバッグはだいぶ減ったものの、今もこの有様。
途中、電車が小動物と接触するというアクシデントがあり18分遅れるが、富岡駅で30分の余裕があったため、代行バスに乗り遅れることはなかった。小動物が何かは知らないが、合掌する。
富岡駅で代行バスに乗り込み、帰還困難区域を通過して浪江駅へ向かう。竜田から出ていた時代も含め、乗るのはこれで何度目だろうか。
国道6号に入る頃の線量計の数値。
今も多くの廃墟がそこかしこに並んでいる。
ここは…3年前、僕が「福島の犬たち」を描いた舞台となった荒野だ。
帰還困難区域を通過中のため、当然数値は上がる。この数値は都内の25倍だ。締め切ったバスの車内の数値だ。
パチンコニューアトム。回転寿しアトムをはじめ、浜通りには「アトム」と名のつく店がとにかく多い。
エアカウンターの数値が3μSv/hを超えた。ここで僕は息を飲む。昨年3月に竜田〜原ノ町間を代行バスで走った時は、最も高い数値は2.23μSv/hだったからだ。通常であれば、時が経つにつれ放射線量は減少していくもの。昨年3月より上がっているということは、今も福島第一原発から放射性物質が漏れ出ていることの証左であり、除染の効果もたかが知れているということだ。
結局、浪江へ向かう代行バス車内では、3.28μSv/hまで車内の放射線量が上昇した。
高瀬川。
浪江駅に到着。天気予報通り天気は悪く、今にも雨が降り出しそうだ。
ちなみに2日目は以下のような行程を予定している。
まずは浪江駅の南西方向を目指す。知人から、高線量のホットスポットがあると聞いていたからだ。線路を超えるべく踏切へ向かう。
駅は再開したが、普段はろくに利用者もなく寂しいと聞いている。当然、駅の駐輪場も雑草が伸び放題で、廃墟を彷彿とさせる。辺りは本当に人気がなく、静寂に包まれている。
駅から1分も歩けばまず目につく廃墟。
女体盛り事件等で悪名高い「日本青年会議所」の福島ブロック協議会が、少年少女サッカー福島県予選大会を、浪江駅からほど近いなみえ創成中学で、6/3に開催するという。
協議会によれば、「復興した浪江を見て欲しい」ということだ。
駅から徒歩1分でお腹いっぱいの廃墟、人気のない町、さて、これを見て「復興した」と言えるだろうか。
つい先日も、内堀福島県知事が、わざわざNYまで足を運び「福島は復興した」とアピールしたという。
「福島は復興した」という内堀知事にとって、浪江町は福島ではないのだろうか。
踏切を渡り、ホットスポットがあるという正西寺へ向かう。
<続く>