electric fanはかく語りき。
ねえねえ、今日はせっかくのお休みだよ?
昼過ぎまで寝ていないでお出かけとかしないの?
わかってる。もうすぐ起きるよ。お願いだから心ゆくまで寝かせておくれよ。
ねえねえねえ、早く起きて動きなよ。
週に1度しか休みがないから「次の休みはあれをやって、これもやって、あれもやりたい、そうだ、あれもやらなきゃ!」と6日間を毎日、次にくる休みのことを考えて首を長くして待っていたじゃないか。
、、首を長くしてるのは、目の前のキミのほうだろ笑
キミはなんでも僕のことをよく知っているなあ。
まあね、だてに15年も一緒にいないからねえ。
最近はボクも歳のせいかあちこち軋んできたり、ガラガラ喋ったりもするし、君がその都度ボクに油を差してくれてるのになんだかごめんね。
いや、単に気になっただけだよ。僕にとっては耳障りなだけだし。
言うねえ。あ、そうだ。もう5年ぐらいになるかな?ある日突然ボクの首が回らなくなっちゃったよね。
そうだね、キミのお腹開けてみたり油差してみたりとあれこれしてみたけど僕が根負けしちゃって以来そのままだね。
ボクなんかいつでもさよならできるのに。どうして?
え?とくに理由なんかないよ。僕は首の回らないキミで構わないってだけさ。
真夏の酷く暑い日に、寝苦しい夜に、キミの首が部屋中あっちにいったりこっちにきたりして欲しくないタイプなのさ僕は。キミの首があっちに行くと、僕はまた次のキミを待っていなきゃならないだろう?
君は我が儘だねえ。いつだってボクのスイッチを足の親指で押すし。
強中弱小。「弱」を選んだつもりで強中弱小。ほらまた「小」まできた。
強、中、、弱。いつもの弱に毎度3周かかってるね。ついでにボクの首が突然治ってたりはしていないかと毎回そっちのボタンも押しみたりしてさ。足で。
言うなよ。僕はキミの首が回らなくてもお喋りがうるさくても困らないさ。