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ペスタロッチーと森信三

そういえば、日を跨いでしまったが、今日(昨日)はペスタロッチーの命日だったな、と思い出した。
ペスタロッチーと言えば、森信三。
森信三と言えば、広島高師…西晋一郎。
広島とも縁の深い人である。

森先生の本は一通り読んだが、私はどうしても手放しで好きにはなれなかった。
心惹かれる部分はあるものの、終始自我というものの強さを感じる文体に、自他の別を強調された主張に、拒否感があった。
そして何となく「山頭火と似ている」と、思った。
2人の生育歴を見るうちに、あれは愛着障害の一種ではなかろうかと感じた。

人の一生は、真に平等だと私は思っている。
苦しみも悲しみも、喜びも楽しさも、皆平等に持っている。
しかし、子供の頃に満たされない生活を送ると、それが生涯、ここまで付き纏うのかと、森先生の著書を読むたびに愕然とした。
森先生ほどの人でも、それが人生の最後までついて回るのかと思うと、子供は不安なく、健やかに愛情を浴びて育つべきだと、強く感じる。
ある自衛官の方から聞いた、「潜水艦の乗務員で最後まで正気を保てるのは、安定した家庭で育った自己肯定感の強い人だ」という話も、これを肯定していると思う。

そんなわけで、ペスタロッチーについても、森先生の文章以上には興味が持てず、ほとんど何も知らないが、昨年、大学病院隣接の医学資料館で、その名前を目にしたことがあった。

広島大学が150周年(広島大学75+75周年記念事業)で、『信州から来た2人の学長、原爆を見つめる』と題した企画展をしていたのだ。

広島文理大の最後の学長で、『原爆の子』を編纂した長田 新(おさだ あらた)は、ペスタロッチーの熱心な研究者で、1941年にペスタロッチー賞を授与されたそうである。

とても丁寧な良い企画展だったし、展示制作をされた広島大学原爆放射線医科学研究所附属被ばく資料調査解析部の皆さんの熱意も感じた。
もっと展示期間が長くても良かったのではないかと思うし、広島でも知らない人の方が多かったのではないかと思うと、来場者の一人として寂しい。

展示を見て、少しだけペスタロッチーに興味が沸いたので、時間があれば読んでみたい。

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