ナルシシズムを克服する方法
「平気でうそをつく人たち:虚偽と邪悪の心理学」という本を読んだ。
この本は、「邪悪な人」というのは確かに存在し、しかもそれは精神病の一種だと考える著者が、「悪とは何か?」を分析・考察したものである。作者は精神科医で、治療で「悪」としかいえない人々と相対するうちに、これは一種の病気ではないかと考えるようになって、研究したり、考察したりするようになった。
とても興味深く、また面白いので、みなさんにも一読を勧めたい。この本で分かるのは、まず「悪」は存在するということ。しかもそれは、相対的なものではなく、絶対的なものとして位置づけられている。つまり、誰が見ても悪としかいえないような人は存在するということだ。
しかも悪人には、誰にでもなりうる。性善説や性悪説という単純なものではなく、人間の心にもともとそういう性質があり(その意味では性悪説)、それがある局面になると出てくるのである(その局面にならないと出てこないという意味では性善説)。
ただし、同じ状況に置かれても、悪に転ぶ人と転ばない人とがいる。そこで著者は、「悪に転ぶ人」をさらに研究し、興味深い共通点を見つけた。それは、悪に転ぶ人には「怠惰」と「ナルシシズム」の二つの特徴が強いということだ。
まず「怠惰」というのは、面倒な道を選択すれば何の問題もないのに、それができない人のことだ。いわゆる面倒くさがりである。
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