中居正広氏は「50歳の壁」に突き当たったのではないだろうか
中居正広氏が引退した。今日はそのことについて書きたい。
中居正広氏は、ぼくがこれまで見てきたタレントの中で最も才能のある人物だと思った。率直にいって好きだった。そういう人がこのような形で引退したことはとても残念である。ぼくの好きな人がこのようなスキャンダルに陥るのは珍しいので、その点でもなぜ彼がそういう状況になってしまったのかを考えてみたい。
中居正広氏はタレントとしての才能は申し分なくあった。その証拠に彼は今52歳だが、「40歳の壁」がなかった。40歳以前も売れていたが、40歳以降に本格的に売れ始めた。テレビの司会者として、文字通り芸能界のトップに立った。
しかしながら、そんな彼にもいくつかの誤算があった。一つは、その自分の才能がいよいよ円熟の境地に至ったタイミングで、テレビ界が凋落し始めたことだ。そして、そこから逃げ出せなかった。逃げ出せなかった最大の理由は、なまじトップにいただけに残存者利益が大きかったことだろう。それをむざむざドブに捨てることができなかったのだ。
しかし、世の中にはそれを捨てられる人もいる。ぼくの師である秋元康さんは、それができる人だった。自分の才能に溺れることなく、状況を見極めるのが得意であった。
そういうふうに、逃げるのが上手い人と下手な人とがいると思う。それは「仕事の才能」とはまた別の、「生きる才能」のようなものだろう。
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