生存者バイアスについて
みなさんは、「生存者バイアス」という言葉をご存じだろうか。
例えば、イジメを受けていた被害者が、そこから脱却した後に、「イジメというのは、最後は自分で跳ね返さないとダメだ」と言ったりする。
しかし、それに対して「そういう言葉はイジメを脱却した強い人間だからこそ言えるのであって、一般化すべきではない」という考え方を持つ人がいる。「そういう強い人間でなくともイジメを受けないで済むような世の中にするべきだ」という考え方の人が、イジメから脱却した人に向かって「あなたの考えは『生存者バイアス』だ」と言って避難するのだ。バイアスとは「偏見」という意味である。
この言説は、一見正しいようだけれども、しかし実際は正しくない。なぜなら、この世は本質的に生存者しかいないから、もし「生存者バイアス」という考えが成り立つなら、「生存者バイアスだ」と非難する人の考えもまた生存者バイアスとなり、矛盾してしまうからだ。純粋な語義矛盾となるのである。
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