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“筋肉質”に経営体質を強化し、お客様や取引先に選ばれる書店に

中部地区をはじめ、関東・関西地区に計29店舗をチェーン展開している「BOOKSえみたす」。運営するのは、愛知県に本部を構えるY・spaceだ。

BOOKSえみたすは、「アピタ」や「ピアゴ」などGMS事業を展開するユニーが運営していた夢屋書店の一部店舗を継承し、2016年に生まれた書店。現在もその9割がユニー系のインショップであるという特徴を持つ。

Y・spaceでは、今年4月から「筋肉質な収益構造へ変革を遂げ、成長を続けていく書店」を中期経営計画の柱として掲げ、構造改革に取り組んでいる。その概要と目指すべき姿について、2019年から代表取締役社長を務める渡辺肇氏に聞いた。

昨年度は全店黒字化、経常利益アップを実現

――まずは渡辺社長のご経歴からお伺いします。

学生時代から書店でアルバイトをしており、新卒でリブロに入社しました。

リブロは西武ブックセンター(西武百貨店書籍部)や西友内の書籍売場を統合して1985年に設立され、その翌年に新卒募集があり、1987年に入社した、いわば一期生です。4店舗で店長を経験し、本部でエリア長、営業推進室長、商品部長を務め、執行役員となったのち、2014年に日販のCRM事業部に出向しました。

2015年に日販があゆみBooksを子会社化したのに伴い同社へ。翌年の2016年4月にあゆみBooksの社長になりました。2018年には、リブロ、オリオン書房(万田商事)、あゆみBooksが合併しリブロプラスになったのを機に取締役商品部長として半年在籍し、2019年からY・spaceで現職に就いています。

渡辺社長note

Y・space 代表取締役社長 渡辺 肇氏

――就任された当時の貴社は、どのような状況でしたか。

経営状況としては、良いとは言えない状態でした。弊社は2016年に夢屋書店から店舗を継承しましたので、2019年当時は、まだ始まったばかりの会社というイメージでした。

売場についてはまだまだ改善の余地があり、スタッフについても伸びしろがあると感じました。

――では就任してまず取り組まれたのも、その2点になりますか。

現在もそうです。私が就任する前の2017年から売場のリノベーションには着手しており、引き続き文具・雑貨の割合を増やすことで、粗利構造を改善してきました。それと同時に、組織力の強化と人材育成を進めています。

――そういった中で昨年度は経常利益率をアップさせ、増益となりましたね。

もちろんスタッフのがんばりがあってこその実績ではありますが、コロナ禍にあって、近郊型のインショップという特殊な立地が追い風になったと思っています。

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