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震災、コロナの影響はあるものの週刊誌と書籍5ジャンル、コミックが前年超え:店頭売上前年比調査 2021年2月【日販調べ】
日販の「店頭売上前年比調査(2月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。2月は1,672店のデータをもとに作成されています(1月は1,681店)。
2月期の店頭POS売上前年比は104.4%。10か月連続での前年比クリアとなりました。10か月連続での前年超えは2008年の集計開始以来初のこととなります。一方、2月13日に発生した福島県沖地震により、宮城・福島の両県は大きな影響を受けています。また、緊急事態宣言下で人の動きが減っている東京都心部も苦しい状況が続きました。
コミックは「呪術廻戦」「鬼滅の刃」の好調影響が大きく出ています。「呪術廻戦」関連作品18点のPOS押し上げ効果は3.3%(前月比△0.5P) となっており、勢いが衰えない「鬼滅の刃」とともに売場を盛り上げています。
ジャンル別 前年比・構成比
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌
雑誌は前年比92.6%。
週刊誌の好調が続いています。1月創刊の分冊百科や「anan」の動きが良く3か月連続の前年超えとなりました。
月刊誌では芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』掲載号の「文藝春秋」が大きく数字を伸ばしました。前年同月発売号と比較すると120%を超える動きとなっています。アイドル誌や付録付き雑誌も引き続き好調に推移しています。
ムックは刊行点数減少の影響が続いており、前年割れの状況が続いています。
書籍
書籍は前年比99.6%。
文芸書、ビジネス書、専門書、児童書、新書の5ジャンルが前年超えとなりました。文芸書が9か月連続、ビジネス書が10か月連続、児童書が7か月連続での前年超えとなります。
110%を超える大きな伸びとなった文芸書では、芥川賞受賞作である『推し、燃ゆ』や第19回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作品『元彼の遺言状』などの、アワード関連作品が大きく動いています。
ビジネス書も好調です。『人は話し方が9割』などのロングセラーに加え、11月発売の『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』や1月発売の『2040年の未来予測』など発売間もない商品も版を重ねており、活性化しています。
FPや宅建関連書(専門書)、TOEIC関連本(学参)など資格やスキルアップのための本が例年に比べて大きく動いており、自己啓発熱の高さを感じる結果となりました。
コミック
コミックは前年比124.7%。
2月4日に発売された「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐」「ONE PIECE(98)」がランキングを牽引しました。ファンブック第2弾の発売にあわせ、前作も動いています。
「呪術廻戦」「鬼滅の刃」は既刊含めて大きく売り伸ばしており、来店客数増加にも貢献し続けています。
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首都圏では緊急事態宣言が延長の方針となっています。昨年3月は学校が休校となり、学参や児童書が大きく動いた時期でした。
今年3月はカズオ・イシグロの最新作の発売を皮切りに、「呪術廻戦」の最新巻やファンブックの発売など、ニュースの多いスタートを迎えています。今後の動きを注視していきたいと思います。
(日販 マーケティング部MD課 古幡瑞穂)
・アニメ好調の「呪術廻戦」が大ブレイク、芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』も売上を牽引:店頭売上前年比調査 2021年1月【日販調べ】