寄与率とか
昔、GREEがDeNAを著作権侵害で訴えた件。
(いわゆる釣りゲー事件)
平成21(ワ)34012 (平成24年2月23日)
地裁判決に、損害額の話がありました。
(最終的には原告敗訴ですが)
(1)被告作品の配信による被告ディー・エヌ・エーの売上げが8億6400万円を下らない(争い無し)
↓
(2)限界利益7億1200万円(売上-変動費)
↓
(3)寄与率30%
↓
(4)よって、2億1360万円(7億1200万円×0.3)
↓
(5)弁護士費用2100万円をさらに足して、2億3460万円(と、年5分の遅延損害金)
って感じでした。
【ポイント1】(3)寄与率30%の根拠。
・魚の引き寄せ画面は、釣りゲームをプレイする者が必ずたどる画面であり,不可欠かつ重要な画面。
・でも、被告らの売上は、
×ゲームのプレイ
○アイテムの販売
・すると、魚の引き寄せ画面を用いてプレイすることの魅力のほかに,アイテム自体の魅力も一定程度寄与
・総合考慮で、寄与度30%
ってことは、損害額を減額したければ、
・侵害とされた画面の不可欠度(ユーザーはその画面通らねーよ! とか)
・具体的な収益方法(画面から直に金が出てるわけじゃねーだろ! とか)
みたいな感じで、寄与度を削り取っていく感じになるのかな?
【ポイント2】(2)限界利益7億1200万円
被告「製造原価と変動費は約4億8千万! だから、それを引くと、俺の限界利益は3億8千万ちょいだ!」
↓
しかし、証拠は、ごく一部を除き,被告作品との関連性が明示されていない。
「約4億8千万!」を、製造原価及び変動費と認めることはできない。
↓
限界利益算定のために控除することのできる宣伝広告費も、被告作品の宣伝広告に用いられたものと認めるに足る証拠はない。
↓
被告らの主張する金額を認めることはできず。
……ってことは、「この金は、この作品のここに使ったぜ!」っていう証拠をしっかり提示できないと、認めてもらえない。
=損害額を低く削りきれない。
ってあたりかなぁ。
得られる教訓は。