実話の魅力。
今日は『あなたのじかん』という形で、15分、未二観(みにかん)の形でお話を聞かせてもらい、その後『「あなたの時間」に起きたこと。』という仕事で、15分を文字起こししたものをいっしょに読んでいった。
そんな未二観デイの最後に「どうして、澤さんは未二観が好きなんですか?」と尋ねられて「そう言えば、考えたことなかったな」と思った。
でも、答えは、次々に出てきた。
人が注意を向けることのできないくらい細かいところにあるシンクロニシティの面白さ、奥さんと揉めたときになぜか未二観をすると鎮まること、誰にも読めないのに確実に豊かになっていく話の展開、などなど。
でも、中でも面白いと思っているのは「リアルだから」だなと思った。
15分の中で語られるのは、誰にも編集されていない、その人自身の言葉だ。
聞き手(辿り手)のぼくは、質問もしないし、確認もしない。だから「自分にだけ通じる言葉」がそのまま語られる。
それは、とてもリアルなのだ。
コンビニで買った焼き鳥の皮の、においまでするような感じがしたり、1歳に満たない赤ちゃんが「あぶー」と言いながら、口をはさんで話が止まったり。
なにげない日常を語っているのに、そこには「愛情」や「幸せ」が感じられたりする。何冊本を読んでもわからないようなことが、はっきりとしたリアルさをもって伝わってくる。
そして、そこには社会問題も横たわっていたりする。
親子の難しさ、育児の孤独感、子育ての時間とビジネスの時間の進み方の違い、など。
毎回「このリアルさから出発しないと、語れないことっていっぱいあるなあ」と思う。Yahoo!ニュースとは、ぜんぜん違って聞こえてくる。
他人とは、想像を絶するほど自分と違う。
未二観では、自分が口を挟まないことで、それを存分に味わうことができる。
同じ時代、同じ地球に暮らしている、まったく別の人の生活が、15分間の中にかいま見える。
それは、地下鉄なんかですれ違う、顔のない人たちとは違う。
うまくいっていても、しんどくても、圧倒的にいきいきした実感を伴っている。
そして、それほど違うにもかかわらず、他人事とは思えない重なり方をしているところがある。今日で言えば「引っ越し」の話や「子育て」の話は、なんだかぼく自身も熱心に語りたくなるようなテーマだった。
おかげさまで、9月1日から3日に募集した『あなたのじかん』には、10名も申し込みがあった。中には、5年以上話すことがなかった方や初対面にもかかわらず勇気を出して声をかけてくださった方も。
それぞれに、どんな話を聞かせていただけるのか、とても楽しみだ。
そして、その話に浸ることによって、ぼくもまた確実に変わっていくような気がする。