ボロボロになったあの本の思い出。
言わずにおれない この思い
炎上してでも 書くタイプ
言わずにおこうと 決めかけて
それでもこぼれる 非暴力
外は夏の風 雨上がりの紫陽花
空を飛んでゆく 厚い本のかなしみ
わたしの心の奥深く
聞かれてほしいと 泣いている
飛んで 飛んで 非暴力
泣いて 泣いて 泣き濡れる
あれは、結婚一年目か二年目のこと。
その頃、ぼくはNVC(ノン・バイオレンス・コミュニケーション)というのにハマっていた。
ぼくたちは生活上のいろんなことで、時々激しいけんかをすることがあって、NVCの考え方が助けになるのではないかと考えたのだ(主にぼく自身の防衛のために)。
奥さんも「いいね」という感じで話に乗ってくれて、動画を観たり本を読んだりしながら、理解を深めていった。
ところが、ある日のこと。
ぼくたちの間に、またしても激しいけんかが勃発した。
ぼくは言った。
「それは、NVC的には〇〇じゃない?」と。
「ほら、ここに書いてある」と新しく買ってきた本も見せたと思う。
その刹那、
本は飛んでいった。
彼女の怒声とともに。
買ったばかりの本は、自宅の壁に激突し、ボロボロになってしまった。
「Non-violence」と書かれたボロボロの本は、なかなかシュールな光景で、当時は胸が痛んだが、いまは夫婦の笑える思い出になっている。喉元をすぎれば、なんとやら。
今日、奥さんがそのことをフェイスブックに書いていたので、あのボロボロの「Non-violence」のことを言いたくなって、こんな曲をつくった。
あの日、空を飛んだ非暴力は、人と人とのあいだのコミュニケーションに関わる大事なことを象徴していたのかもしれない。
そして、幾度ものケンカを経てもまだいっしょにいて「あのボロボロの本、シュールだよね」とゲラゲラ笑っているぼくらの姿こそが、なんとなくだけど、非暴力に近い感じもする。
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