新入社員アゲイン。
あまりに違う環境に引っ越したからだろうか。
きのうは引っ越しでクタクタだったのに、ぜんぜん寝付けなかった。寝室のエアコンはオンにすると強烈な風が吹いて寒く、オフにすると暑い。ちょうどよい温度がわからないまま、朝を迎えることになった。
そして今日は初出勤。人生何度目かの新入社員である。何回やっても緊張するし、最初のあいさつを普通に済ませることができない。つい笑いをとろうとしてしまった(笑ってもらえてよかった)。
それから仕事でかかわるいろんな人を紹介してもらった。あまりにたくさん紹介してもらって「一日に会える人の数には限りがあるな」と心から思った。
人に会うのはけっこうすきだ。その人が身の上話をしてくれたならなおさら。けれど、こちとら引っ越し直後の寝不足ゾンビだ。HP 表示がずっと赤のまま「好かれたい」という気持ちをブーストさせて人に会うのはかなり大変だった。せめてベホイミくらいかけてほしい。
ついこないだまでは、新しい出会いなんて年に数人程度だった。それが一日にこんなに。人、人、人のるつぼに放りこまれて、じぶんが溶けてしまいそうだった。
実際そうなのかもしれない。これまで慣れ親しんできた「僕」を溶解して、新しい何者かにしようとしているのかもしれない。
なにもかもが一気に変わった環境に、たくさんの出会いと新情報。新入社員は何度もやったとさっき書いたけれど、毎回こんなにハードだったかしらと思う。それもこれもあの暴風エアコンのせいか。
でも、どんなに疲れていても、先のことがまったくわからなくても、底の方になんだかワクワクする予感がしているのがわかる。
なににワクワクしているのかわからないのだけれど、あまりの大変化に「ウケる〜」と言っているじぶんがいるのがわかる。
この道をゆけば、どうなるものか。
と猪木は詠ったけれど、ほんとにどうなるものかわからないときには人はウケてしまうんだな。こんなに毎日予想できないことが起きるのは何年、何十年ぶりのことだから。
そんなフラフラにしてヘロヘロのじぶんをみて「ウケる〜」という声の主は笑う。その笑い声をきいていると、身体は疲れてるんだけど「これでいいのだ」という感じがする。