博多ラーメンったい_

「こっち」と「そっち」。

九州滞在、最終日。
次の予定までの時間を持て余して、福岡天神のパルコで文章を書いている。
(パルコはすごい。全館 Wi-Fi が飛んでいる!)

長崎、福岡、門司とめぐった今回の旅。本当に充実していた。

出会った人、起きた出来事、聞かせてもらった話、そのときの空気。
全部忘れがたいものとなった。
死生観が変わるほどの話も聞かせてもらった。

「こっち」でいきたいんだよなぁ。

という思いを再確認したようなところがある。

そう、「こっち」なのだ、と。

場面変わって、さっき、移住相談センターに行ってきた。
窓口の方は親切だったけれど、あまり手応えはなく「こっち」とのギャップを感じた。

そういうものだと分かってはいた。けれど、いささかガッカリした。
もう少し踏み込んで相談に乗ってくれると、勝手な期待をしていたのだ。
(僕は実際そうなると鬱陶しがるくせに、しばしばお節介おばさんみたいな親身を期待してしまう。)

親切だけど遠い。構えているバットに当たりそうもない。
「そっち」では、そういうふうに仕事がまわってるんだよなあ、と思った。

「こっち」と「そっち」。
僕はいつもそんなふうに物事に線を引いてしまう。

けれど、国と国の間に国境の線がないように、人生も「こっち」と「そっち」になど分かれていない。カメラを引いたら両方が映るように、「こっち」も「そっち」もある世界は常に存在しているはずだ。

で、ここからは帰りのフライト直前の福岡空港で書いている。

「こっち」とか「そっち」とか思いながら、最後の訪問先に向かったら、思いもよらないことを言われた。首の皮一枚で、夢がつながったような感じだ。しかも、より大規模で。

どうやって、そこにいくんだ?

と考えはじめている。ワクワクはするが、着地させようとしていた場所よりもゴールが遠くなった感もある。

未来を追いかけて九州まで来た旅。それはまだ形を伴っていない。
でも一日一日起きたことには、とてつもなく価値を感じている。

「ああ、あのときのあれが、これにつながったんだな」

少し先の未来に、そんなふうに振り返る旅になるといいな。

とはいえ、今回の旅は、一旦終わり。
あとは空港でラーメンを食べるだけだ。もちろん替え玉する。

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澤 祐典
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