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新しいルネサンス。
いま、南畑美術散歩の作家さんのインタビューを文字起こししている。
その中に「ルネサンスは、ヨーロッパにペストが流行した80年間、活動できなかった作家たちが、ここぞとばかりに集まって、一気に創作しはじめた時代だ」という話があった。
バネが高く跳躍するためには、その前に一度、思いっきり縮む必要がある。そんなふうに、ルネサンスの前には、ペストでヨーロッパの三分の一の人が亡くなる悲劇があったのだ。
その話といまのコロナの話を重ねずに聞くことはできなかった。
たぶん春の頃の僕は、ちょっと甘く見ていたのだと思う。
マスクをするのが普通になって、仕切りがあるのが普通になって、ライブもオンラインが多くなって、こんなにも息苦しい状態が常態化するなんて、あのときは夢にも思わなかった。
でも、いまや「普通」は変わってしまった。
そんなときに、ペストの後にルネサンスがあった、という話はすこし明かりがさす感じがする。
どんなに後退させられても、黙らされても、人の中の創作意欲は消えないし(ペストの80年の間にまったくなにもできずに亡くなっていった人はいたのだろうけれど)創造性も死なない。それはむしろ、強烈な光となって時代を照らすことになる。
問題は、そこまでの時期をどう過ごすかだ。
いまたぶん、僕たちはその「そこまでの時期」にいる。
新しい普通のあとの、新しいルネサンスに至るその過程に。
さて、どうするか、だよなぁ。
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