『スーパー・カブ』と、スーパーカブと、バイク旅をする面白さを味わってきましたという話
まだ映画館がパンデミックの影響で一旦休館する前の3月初旬くらいに吉祥寺のミニシアターで『メイドインアビス』の映画を観に行ったんですが、その時近くの本屋さんで久々にライトノベルを購入しまして。
スーパー・カブ
角川スニーカー文庫から出版されている『スーパー・カブ』という作品でして、作者はトネ・コーケンという方で存じ上げない方だったのですが、なんとなく興味を惹かれて1巻だけ買ってみたんですよ。
ストーリーは父に先立たれ母が失踪し天涯孤独の身となった女子高生・小熊(こぐま)が、一台の古いスーパーカブ(新聞屋や郵便屋が乗ってるバイクです)と出会い人生を豊かにしていくという、まあ結構シンプルな作品なのですが、読んでみると結構面白い。
主人公の小熊はスーパーカブと出会うまでは趣味もなく友達もいない実に味気のない女の子だったのでありまして、スーパーカブを買ってからもしばらくはおそるおそるだったり、30kmしか出せなかったりといきなり世界がバーッと広がるわけではないんですよ。
少しずつ少しずつ乗り方を覚え、バイクで行く範囲を広げていくうちに徐々に行動的になっていく。それに加えてクラスメイトで古い郵政バイクを乗り回している変わり者の礼子(れいこ)や小熊を見てバイクに興味を持った椎(しい)と仲良くなって交遊関係を広げたり、バイクの故障と向き合ってカブ愛を深めたりしていくうちにじわじわと自分の中の世界を広げていくわけです。
その過程が丁寧に描かれていて、小熊に感情移入しやすい書き方をしていて読んでいくうちに引き込まれていっちゃうんですよね。
僕がどれだけ『スーパー・カブ』の世界観に引き込まれたかというと、作品と出会ってから2ヶ月後に思わずスーパーカブを購入してしまいまして(笑)
作中では椎が乗ってるリトルカブですね。近所のバイク屋に並んでまして、ほとんど一目惚れで買ってしまいました(笑)
幸い(?)今年はパンデミックの影響で趣味の野球観戦がほとんどできなくなってしまい、金が山ほど浮いてしまったのでわりと悩むことなく買えたわけです。それでもカブ本体に諸々付けて20万近くしましたが。
まあカブを買ったとて乗り回すわけでもなく、週に1度飯食いに行ったり映画観に行ったりする時の足がわりに使ってたくらいなのですが、こないだある事を思い付きまして。
そうだ、『スーパー・カブ』の舞台地にスーパーカブで行ってみよう。
『スーパー・カブ』は山梨県の北杜市という街を舞台地にしております。おそらくトネ・コーケン先生の出身地なのでしょうが、最初に言っちゃいますがまあ何もないんですよ(笑)
あるのは山、川、田んぼ、あと坂くらいですかね。キャンプ場がありますが特にこれといった観光名所があるわけでもないので、本当に北杜市で生まれた人以外は舞台地にしようもない場所なんですよね。
ただ二岡せきぬ、そういう場所が大好きでありまして(笑)別に田舎が好きなわけでも自然が好きなわけでもないのですが、そういう何もない街にこそリアリティーがあるというか、本当にキャラクターが住んでいるような気がして好きなんです。
というわけで先週、有給を使ってバイク旅行してきました。『スーパー・カブ』は近々アニメ化もされてPVも公開されてますし、アニメが放送された後には僕のようなオタクくんがまあまあ行くと思うので先取りみたいな感じですね。
それでですね、いつも新幹線とか飛行機で目的地行ってる時に思ってたんですが、"行くまでの道"って気になりませんか?
新幹線に乗ってると、絶対途中で田舎道が見えるじゃないですか。でもすぐに通りすぎて見えなくなってしまうと。
個人的には行くまでの景色も結構好きなんですよ。それがバイクだと味わえるんじゃないかとちょっと楽しみにしておりまして。
自宅から出発して約1時間くらいかけて東京を脱出し、高尾から一旦神奈川入ってずーっと山道を走ってたんですけど、正直これだけで結構満足しちゃいましたね(笑)
これはチンコみたいな雲があったんで思わず撮りました。
休憩したコンビニの目の前に良い感じの坂があったので思わず上ってみた時に撮ったやつです。
僕こういうのが好きなんですよ(笑)観光名所よりはちょっと変な場所とか、変なものを見たくなっちゃうというか。
それで気付いたんですがバイク旅って、バイクに乗って出発した瞬間からもう"観光"なんですよね。
例えば山梨に着いて北杜市を目指している最中、ずっとクソデカ雲が見えてたんですが。
これが右側に見えてたクソデカ雲で。
こちらが左側に出てたクソデカ雲ですね。
もうこれだけでテンション上がってしまう安い男なんですよ(笑)
左の雲は山にかかってるからおそらくこういう形になるのでしょうが、生まれた時から山に囲まれてこなかった僕にはかなり新鮮でして。だいたい同じ写真なんで載せませんが、左の雲ばかり何枚も撮ってましたね(笑)
そして出発してから6時間くらい経ってやっと北杜市に到着(めっちゃ疲れた)。
当初は一応PVに出てる場所を巡ろうかと考えていたのですが、ちょっと待てよと。それじゃつまらないなと思って、北杜市中を巡りまくる旅に変更しました。
アニメが仮に12話構成とすれば、北杜市中のあらゆる場所が使われるはずなんですよね。だから今からいろんな場所を撮っておけば後々観た時にちょっとテンション上がるかなと思いまして。
まあ一応小熊と椎の家は行ったんですが。
小熊の家(集合住宅)
奥に見えてる建物ですね。なんでもっと近くで撮影しなかったんだと思われるかもしれませんが、近くに行くと明らかにやばげなものがありまして、撮る事すらできませんでした(笑)
ていうか小熊の家から彼女が通っている高校までの道のりも暗くてなんだか怖いんですよ。スポットにはなってないから多分何もないんでしょうが、
こういう、撮影したのは夕方ですが昼でも暗い下り坂が長いこと続いたりですね。
近くで撮れなかったんですが奥の方にあるトンネルとかをくぐらないといけない。
小熊、結構なとこに住んでるんだなと(笑)
一方椎の家なんですが、彼女の両親が脱サラして経営しているパン屋が実際に存在します。
インノっていうパン屋さんで、中は違うんですが外側は漫画版に使われてるみたいですね。北杜市の外れの、なんかよくわからんところにポツンと建ってるんで行ってみると結構面白いですよ。ちなみにドアに「九条改憲反対」のステッカーが貼ってあってビビりました(笑)
礼子の家は多分キャンプ場近くのログハウスなのですが、旅が終わってから気付いたので撮れずにあ~ってなりました(笑)
実際に作中に登場したのはこれくらいで、あとはひたすら山とか川とか田んぼを撮ってました。
さっき貼ったトンネル近くから撮った北杜市の街並みです。元々は村だったらしいですが合併してできたところらしいですね。
もう本当にひたすらこういう道なんですよ。だから正直アニメに出てきたとてあんまよくわからない(笑)でも良いところではありました。
あとキャンプ場に温泉がありまして。
こことか確か作中に一回も出てこなかったので多分アニメでも出てこないんですけど(笑)良いお湯でしたよ。
あと絶対出てこない場所でハイジ村とかありましたね。
なんかよくわからないんですが北杜市にハイジのテーマパークがありましてですね、
なにここ(笑)って感じだったんですが結構人で賑わってましたね。あと受付のおばちゃんがみんなクララかなんかのコスプレしてました。
あと一番印象に残ってたのが山道に突然現れた旗ですね。
なんか北杜市って全体的に左寄りなんすよね(笑)
しかもこれ僕以外誰もいない、マジの山道に立てられてるんですよ。左側に田んぼがあるわけでもなくてですね、マジの恐怖を感じました(笑)
でこんな事を一日中やってたら翌日全身筋肉痛になってしまいまして(笑)帰らなきゃいけないんでまた6時間かけて帰りましたが正直今でも両脚痛いっす(笑)
まあなんか文句ばかり言ってるように思えるでしょうが、バイクで北杜市を走り回るのは本当に楽しかったです。『スーパー・カブ』で小熊は北杜市だけでなく韮崎市とか甲府市とかいろんな場所に行っているのですが、おそらく北杜市の街も走り回っていたはずなんですよ。
作中には出てこないですが彼女が暮らしていた街を、変なところも含めて走りながら写真を撮っていくのは疲れも忘れるくらい楽しいものでしたね。
というところで今日はここらへんで終わりにさせていただきます。すっかりバイク旅にハマっちゃったので、来月も連休あるしカブでどこか行こうかなと考えております。このご時世なんで気を付けなきゃいけない事も多々ありますが、マスクをし距離を取りながら、気を使いながらやりたい事をやっていこうかなと思っております。
そして『スーパー・カブ』面白いんで、良ければ読んでみてください。
それではまたお会いしましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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