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アルツハイマー型認知症の方と関わる上でのコツ
あんそくです。
今日は「アルツハイマー型認知症の方と関わる上でのコツ」をお伝えしていきたいと思います.
どうしてその行動をとられたか考えてみる
認知症の方が道に迷われたり、トイレの場所が分からなかったり、人の食べ物をとってしまったり、声をあらげたり、叩かれたりされることってあると思います。
その場面だけみると、「どうしてそんなことするの」「何でわかってくれないの。」となることは、介助されている方やご家族にとって普通のことだと思います。
でも、認知症の方から考えると、こうなります。「どうしてそんなことするの」「何でわかってくれないの。」と・・・・
あれ?同じじゃん!って思いませんか?
実は、お互いに理解し合えてないから、お互いに怒ったり、哀しんだりしているのだということになります。
じゃ、どうしたらいいのとなりますよね。なので、トイレの場面でお伝えしていきたいと思います。
トイレに迷われる場合
アルツハイマー型認知症の特徴として、近時記憶の障害があります。(近時記憶のことは「4つの認知症の原因と特徴」を見てくださいね。)
施設に入所された場合、トイレの場所を聞いても、聞いた後に食事をしたり、動いたり、話したり、別の行動をする事で教えてもらった事を忘れられます。
忘れるというより、記憶が作られていないというのが正確です。(でも、海馬の細胞が残っていれば、時間はかかれど、くり返しお伝えすることで覚えてくださいます。)
ご本人がもよおして、いざ、トイレに行こうと感じたとき
尿意は普通に感じとられます。それに伴ってトイレに行く。普通のことですよね。でも、トイレの場所がわからないのです。それでウロウロとされる場合があります。これを徘徊と言われてしまう場合があります。ご本人からすると「トイレを探しているだけなのに。」ということになります。
ちなみに「言えばいいのに。」「聞けばいいのに」と思うかも知れませんが、思っていても言葉が出てこない場合があります。また、心を感じる部分もしっかりと保たれているので、恥ずかしいという気持ちから聞けない場合もあります。特に大便のときなどは聞きづらいですよね。
でも、身体は排泄物を出したいサインを強めていきます。そして、限界に達します。ご本人は何とかしようと、トイレを探しまわられます。何とか間に合わせようと・・・
そして、昔の記憶と照らし合わせて、「これトイレっぽいな?」「トイレはないけど、ここなら出しても迷惑は最小限にとどまるだろう。」というところで排泄されます。それはゴミ箱であったり、他者のPトイレであったり、部屋のや廊下の薄暗いところであったりするわけです。
介助者やご家族が感じること
介助者やご家族は、ご本人の考えていること、起きていることがわからないことが多いです。出会うのは、排泄してはいけないところで排泄してしまっているという結果。
身内であればあるほど、ご本人の行動の意味を知らないでいればいるほど
「どうしてそんなことするの!」「先にいってよ!」「ダメダメ、そこじゃない!」「どうしてわからない!」と否定する言葉が出てきてしまいます。それは当たり前のことです。
でも、その言葉が、近時記憶は失われても、心はしっかり感じているご本人にとって、「どんなことがあったかは忘れたけど、何かこの人嫌。」という記憶に残っていくのです。
このような出来事が続くと、どんどん、関係は崩れていきます。
つまり
認知症の方にとっては、今自分にできることを精一杯頑張ってやったことであるということです。「がんばってされたんだなあ。」ととらえると、少し気持も変わってくるかもしれません。
ただ、これは介護を仕事としている者にとっての事だと思います。
ご家族もそうだったのかと思われる方もあると思いますが、24時間365日ずっと一緒にいるご家族からすると、分かっていても怒れたり、やめてと強くいってしまうのも仕方のないことです。
限界に来たときは、サービスを利用することや同じ悩みのある人と話すことはすごく大切なことだと思います。
介護者・ご家族ができる工夫
貼紙をして、場所・行動を知らせる
認知症の初期の頃は、場所の見当はつかなくても文字は読まれたりします。
トイレと貼紙があると見当がつけやすくなります。ただ、いろいろと気をつけなければ貼っても意味が無い場合もあります。
気をつけることは
1.トイレのときどのようにソワソワされるか
2.ソワソワされて、どこに視線をむけられるか
3.字の大きさはどのくらいがみやすいか
4.字や紙の色はどの色が見つけやすか
を気をつけるといいと思います。
1は、なかなか恥ずかしいので伝えてくれません。でも、急に動き回られたり、立ったり座ったりを繰り返されたりするので、認知症の方のサインをキャッチすることが大切になります。
2は、視線の先に貼紙をすることが大切になるからです。見ておられないところに貼っても意味がないからです。高さ、色などもその人に合わせてするとよいです。また、文字数は少ないほうが伝わりやすいです。
3は、事前にいろいろな大きさの字を見てもらって確認するといいでしょう。
4は、黒でもよいのですが、黒字に黄色紙の方が見てもらえたり、赤字の方が注意を向けてもらえることもあるので、その人のわかりやすいものにあわせるとよいです。
②動作は区切って伝える
認知症が中度期、重度期になってくると、「トイレに行っておしっこしましょう。」という言葉も文が長すぎて、理解してもらえないときがあります。理解してもらっていない状態で介助に入ると、認知症の方は「何するの!」「触らんといて!」と怒られます。
介助する側はしっかりと伝えているつもりですが、伝わっていない事を自覚しましょう。
こういうときは、「立ちましょう。」「歩きましょう。」トイレに着いたら「ズボンを下ろしましょう。」「おしっこしましょう。」か「出しましょう。」「出して大丈夫ですよ。」など、一つ一つの動作を区切ってお伝えすると、安心して排泄していただけます。
③誘い方を変える
誘い方もそれぞれの性格によって変えて生きましょう。誘い方としては
何かのついでに誘う
これからトイレに行って介助させてもらうことをしっかりと伝えてから手伝う
どのくらいトイレに行ってないか、間が空いているかをちゃんと伝えて誘う。
どうしてものときは、テンポよく、トイレとは違う話をしながら手伝う。
などの方法があります。
④もし、汚れていたらそっと換える
認知症であろうとなかろうと、失敗した事を大きな声で言いふらされあり、怪訝な対応をされたり、責められると怒れてきますよね。まして一生懸命がんばったことを分かってもらえないと悲しいですよね。
認知症の方も同じです。全てを受け入れることが難しくても、ちょっと立ち止まって、深呼吸してから介助に入るといいかもしれません。
でも、ご家族は無理しないでくださいね。どれだけ分かっていても、限界に達します。ご家族に関しては、限界を超えないように、もし、怒ってしまったとしても自分を責めないようにしてほしいです。
認知症の方の一番の心の支えは家族です。ご家族が元気でいてくださることが、何よりの認知症ケアにつながると思います。どうしてその行動をとられたか考えてみる
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