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記憶の作られ方
あんそくです。
今日は、記憶の作られ方について書いていきたいと思います。
記憶はどこで作られる?
記憶はアルツハイマー型認知症のところで書いた[海馬]で整理されます。
作られると見出しをつけましたが、海馬がすることは整理です。
海馬は、耳や目や鼻や口、皮膚から入ってくる膨大な情報(私達が意識できているのはほんの一部で、無意識に聞いている音や見ているものなどの情報も含みます)をコンパクトに整理してくれます。これは、生きるためにいるな、いらないを整理してくれます。
整理してから、記憶の貯蔵庫の側頭葉に送られて、蓄えられます。その経験で培われた長期記憶によって、私達は「今」の出来事を「自分にとってどういう意味があるか?」「気持の動きはどうか」判断して、行動に移しています。
海馬が整理するときに大切にしているもの
感情の高揚具合が関係してきます。脳の部位でいうと扁桃体という部位が関係してきます。この部位は、感情を司ります。
「嬉しかったなあ」「怖かったなあ。」など、より強い感情が揺さぶられた出来事の記憶には、「強い感情で大切な記憶ですよ。」と海馬に送られた記憶に荷札をつけて、残す記憶に分類します。
また、感情がそれほど高揚しなくてもくり返えされることで、「こんなに繰り返してるんだから大事な情報ですよ。」と荷札をつけて、側頭葉に貯蔵されます。
それ以外のあんまり感情がのってこなかった記憶は荷札がつきにくいので、海馬は「まー、いらないな。」と判断して、記憶に留めません。
つまり
大きく感情が動いた出来事は、大切な情報と海馬は判断して、記憶に残す
くり返し脳にインプットされたことも大切な情報として記憶に残す
それ以外のものは、忘れる
とういうことになります。
認知症との関係
アルツハイマー型認知症の方は、海馬の細胞が徐々に減っていきます。
それでも繰り返すことで、場所を覚えられたり、日課を覚えられたりします。
また、嬉しかったり、一生懸命したことによる感情の高ぶり、かなしかったことなど、感情が強く揺さぶられた出来事も、すぐに思い出せなくてもヒントや途中まで伝えることで思い出されるときもあります。
記憶障害の認知症だからといって、すぐにあきらめるのではなく、感情をゆさぶるような関わり、思い出すきっかけとなる言葉かけをすることは大切なことだと思います。
自分で思い出せた!という感覚は、すごく嬉しくて尊いことだと私は思っています。
参考文献
東大で薬学部教授をされている池谷裕二さんの著書
『記憶力を強くする』
『単純な脳、複雑な「私」』
が、私が認知症を勉強する上で大変参考にさせていただきました。
興味のある方は、本をかって、読んでみてくださいね。
ちなみに、私は池谷先生となんの関係もありませんWW。
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