認知症の人が怒られたときの対応
こんにちは、あんそくです。
今日は認知症の人が怒られたときの対応について、ざっくりとお話していきたいと思います。
どうして怒られるのか
「なんでそんなことするんや!」「やめろ!」と認知症の方に怒られた事ってありませんか?
食事のとき、お風呂のとき、おむつ交換のときなどにあると思うのですが、そこには認知症の方にとっての理由があります。
何をされるかわかない
認知症の人は、基本的に認識する能力が落ちています。認知症による脳の細胞の減少も関係してますし、老化による五感の機能低下も影響していることも多々あります。
私も介護をしているのでよく感じる事は「伝えたつもりになっていないか?」ということです。
介護者は長い文で「○○しましょう。」といいますが、認知症でない場合は理解できる言葉も、認知症の人にとっては長すぎる文なのです。
なので、区切って伝える事が大切になってきます。
例えば
「朝になったので、ホールに行って、朝食を食べましょう。だから、おきましょう。」と伝えて介助しても、
認知症の人にとっては「急に身体を持たれて、起こそうとする。」=なんで?
介助が下手で強く手や腕に圧迫がかかった場合は、「なんで身体を強く持つの?痛いし嫌!しかもしつこい!」=なんで?
となってしまわれます。
そのことを理解せず、介助者が無理矢理起こそうとすると、怒ったり、叩いたりされるというわけです。
そう!
その行動は理にかなっていて、単純に「自己防衛」されているだけなのです。
このとき、介助者は言葉を区切って伝える事で、認知症の人にもわかりやすい言葉となり、理解してもらえることがあります。そうすると納得して起きれるので、怒ったり、叩かれたりすることもありません。
「朝です。」
「朝ご飯の時間です。」
「おきましょう。」
このように、文章を区切るだけでも、大きく違ってきますよ。
体調不良
認知症の方は自分の体調の不良を上手く言葉にできないことがあります。また、排泄のことは恥ずかしいので言い出せなかったりします。
熱がでていても、どこかいたくても、はっきりとした理由が言えずに「ほっといてくれ。」と言われる場合もあります。
レビー小体型認知症の人のときは、特に体調の変化が急にくるので、しんどかったりします。そういうときは休んでから食事やお風呂などすすめるといいと思います。逆に自覚が無い人も多いので、汗をかきながら動いておられたり、ふらふらしていたりしたら止めましょう。そして、空腹も影響します。食べすぎはよくないのですが、ちょっとおやつや温かい飲み物をお腹にいれるだけでホッとして落ち着かれることがあります。
やり方がわからない
認知症になると、徐々に次何をするのか見当がつけられなかったり、スプーンをみても認識できなかったり、トイレの便器を認識できない人もいます。
その状態で介助者のテンポで進められると、認知症の人はできないことをつきつけられているようなものなので、イライラされていきます。そして、「もうええ!あっちいってろ!」とついには怒りが頂点に達してしまいます。
そうならないためにも、何なら認識しやすいのか、これは認識しづらいのだなあということを早めにわかっていくと、相手の人にあったサポートの声かけができるようになります。
まとめ
認知症の方が怒ったときよく聞くのが「急に怒られた。」「何度いってもダメだわ。」という言葉ですが、急には怒っておられません。
1回目のときは、介助者は伝えたつもりでも、認知症の方には伝わっていないことがほとんどです。
2回目以降で修正できれば、少しずつ関係も築いていけます。でも、理解しようとせず、「認知症だから、相手が悪い。」と認知症の人の理解できない対応や無理矢理な対応をしていると、感情の記憶は残るので、顔をみせただけで怒られるようになります。
毎回毎回、上手く行くことはありません。でも、相手を知ろう、自分のことも相手の理解に合わせて伝えようとする姿勢を大切にしたいですね。