妊娠後期にみられる恥骨の痛みが関節トラブルにある場合の対策方法
「脚のつけ根の痛みがつらい」
「歩いていると脚の付け根が痛い」
妊娠中の恥骨の痛みに悩む妊婦さんがいらっしゃいます。恥骨のトラブルがあると、脚の付け根が痛い、歩いていてお尻から脚の付け根あたりが痛いという訴えがでることがあります。
2日連続で恥骨周辺の関節トラブルの悩み相談が続いたので、今回は恥骨結合の部分に焦点をあててまとめます。
妊娠中の恥骨の痛みが恥骨結合にある場合
昨日の記事では、恥骨痛の原因を仙腸関節とお腹の大きさのポイントから解説しました。この1点目の要因の仙腸関節にトラブルがあるケースで、その前後関係にあたる恥骨結合の部分に影響がでて恥骨痛に関与している方がいらっしゃたので2日連続でまとめています。
恥骨結合の関節トラブルが内転筋の緊張を高める
妊娠後期に現れやすい症状として恥骨痛がありますが、仙腸関節の関節トラブルとあわせて恥骨結合の問題がでているケースを時折みかけます。この場合の痛みの特徴として、脚の付け根まわり、お尻〜脚の付け根の痛みなど股関節周りの問題として現れることを多く経験します。
歩いていると痛い、動くときに痛い、脚の開き動作で痛い(痛い側の脚が外側に開きにくい)など、動きに合わせて痛みがでることが多く、股関節のかみ合わせが悪い、なにかフィットしていないような感じがするという感覚を妊婦さんからお聞きします。
このようなときは、仙腸関節の関節トラブルや内転筋の緊張が高くなっていることを触診できます。恥骨結合の部分でねじれるような剪断力や引き離されるような応力が加わってくることで、恥骨に付着する内転筋の緊張が高まることがあります。
妊娠中の恥骨の痛みの対策方法
仙腸関節に関連する腰部の筋緊張をリラックスさせること、仙骨下部に付着する殿筋の緊張をリラックスさせること、内転筋自体の緊張を整えることが行いやすいケアの方法の一つです。
専門的には、仙腸関節、腰部の関節を整え、その近隣の腰部筋、殿筋をリリースしてから痛みが落ち着いているか確認してからセルフケアを伝えることを基本としています。
ご自身でのセルフケアとして、腰回り、仙骨の下、内転筋の3部位がポイントになります。
腰部:ウェスト部分の背骨の両脇の筋肉
仙骨の下方:尾骨から上に指を移動したときにあたる部位
内転筋:脚をひらき筋張っている筋肉の下の部分
仙骨と内転筋については、お腹の張り具合や股関節の動きの違和感がないかどうかを確認する必要があるので、慎重に進めることを条件にします。
この3部位を、腰から順に一つずつ実践することをおすすめします。腰部をほぐすことで開脚がしやすくなることもあるので、その場合は、仙骨、内転筋のケアはしなくてもよいです。
仙骨下方、内転筋については、ご自身では無理せずに専門の方に相談することを第一選択としていただきたいです。まずは、腰部のリリースからとりいれてみてください。