妊娠中の恥骨の痛みの原因と対策方法を理学療法士が解説
妊娠中の恥骨の痛みに悩む妊婦さんがいらっしゃいます。妊娠中期〜後期にかけて痛みがでやすいことが多いです。
恥骨痛がでる理由とその対策方法ついて、臨床的経験を解説します。
妊娠中の恥骨の痛みの原因はなに?
臨月での恥骨の痛みに悩む妊婦さんがいらっしゃいました。臨月だとお腹の大きさがとても大きくなり、恥骨に負担がかかることもあります。原因について確認していきます。
恥骨痛の痛みは仙腸関節のトラブルから出る場合
妊娠中の体のトラブルとして骨盤周りの問題の中に恥骨痛が含まれます。妊娠後期に現れやすい症状として報告があり、出産後は特に痛みが残るケースは少ないということも述べられています。妊娠中に恥骨痛がでる場合は、お腹が大きくなることで骨盤のつなぎめである仙腸関節の部分での関節トラブルがでて、その前後関係にあたる恥骨に歪みがでるような影響で恥骨痛がでることがあります。
恥骨の痛みがお腹の大きさから影響がでる場合
お腹の大きさが大きくなることで恥骨部分に負担がかかるケースもあります。このケースは、あばらまわりの開きが十分に適応できていない、背部周りの緊張が強い、お腹の上部(子宮底部)の硬さがある、内巻き肩が強めなど筋肉の緊張や妊娠の経過にともなう関節の適応状況、姿勢などが影響しやすいパターンだと感じます。
妊娠中の恥骨の痛みの対策方法
2つのパターンを紹介しましたが、いずれも仙腸関節の関節調整や背部周りの筋肉の緊張リラクセーションなど行うことで恥骨に加わる負担が減らせることができれば痛みはすぐに落ち着くことが多いです。
調整しても痛みがある場合は、腹筋や股関節の内転筋による筋由来の安定性がとれていない、恥骨結合での関節問題が生じているなどが考えられます。
上記のケース以外であれば、関節調整でも十分に痛みは緩和できることが多いです。
ご自身でのセルフケアとして、簡単にとりいれられるのは姿勢の要因に関するもので、鎖骨周りをほぐすケアです。
鎖骨の下側に大胸筋が位置しています。この外側の部分は、少しくぼんでいる位置となり、こぶしがすぽっと入りやすい部分です。
握りこぶしを鎖骨下にあてる
30秒間、痛気持ちいい強さでほぐす
鎖骨の内側方向まで同様にほぐす
こちらを左右どちらも実践してみましょう。このケアにより内巻き肩や猫背姿勢のケアにもつながり、肩こり対策も期待されるケアの方法です。妊娠後期の恥骨のトラブルは、妊娠中期ころからのこのようなケアにより予防対策もできるのではないかと推測することもあるので、実践してみいただきたいものです。
今回説明しなかったものに、骨盤底筋の機能の弱さが恥骨の痛みにつながっているというものもあります。こちらの原因と対策についても後日解説します。
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