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日記 2025.1.15(水) 小正月の小豆粥。

小正月。昔の日本人は満月を縁起がよくめでたいものとし、初春の満月の日を一年のはじまり、元旦としていたのだそう。正確には満月は昨日のようだが今日は魔除けの力があるともいわれる小豆を使い、小豆粥をつくってみたい。

6時起床。今朝はお母さんが7時半から小学校へ見守り隊へいくことになっているため早起きする必要があった。まだ暗い時間、わたしも共同体の一人として協力するため、朝ごはん支度に起きる。お母さんは昨日も夜遅くまで書類の整理などしていて眠たそうにしている。

台所へ向かうとお父さんの部屋ももう電気が付いていた。お母さんが今朝は早起きということでお父さんも協力体制なのかもしれない。三人で力を合わせるということ、自然にできるようになってきている気がする。

ストーブをつけて部屋を温めながら、冷蔵庫の中にあった黒豆や昨日の煮物の残りなどをお皿に盛っていく。お味噌汁もあたためる。お母さんは洗面所で着替えとお化粧をしているところ。順調だ。

朝ごはんの支度が大体整ったので洗濯機を回すことにした。お父さんのパジャマも洗濯しようと部屋へ入る、おはよう。お父さんはもう着替えてリハビリへ行く準備が整っているようだった。

7時前に朝ごはんをみんなで食べ、お母さんは見守り隊のベストを着て時間に余裕を持って出かけて行った。忘れ物なし、予定通りに見送ることができてほっとした。

リハビリのお迎えの前に、香典を渡しにいくというお父さんと出かける。小さな雨が降っている。最近よく電柱の柱の上にとまっているのを見かけるノスリ、濡れた羽がバサバサだった。お風呂上がりみたいでかわいい。今日は二羽も見た。顔が小さくて丸っこいフォルムがぐっときたのだがその姿をまだ一度も写真におさめることができていない。

家に戻ったらお母さんもちょうど帰ってきた。そろそろお父さんが出かける時間。三人で外に出て洗濯物を干していく。お父さんは雨が降るから車庫の方へ干したほうがいいとか言って立っているだけだったので、自分の服を干すように促した。雨混じりの雪が舞うが、風があって空気が乾燥しているので洗濯物は外に干したい。たぶんきっと乾きそうな気がする。軒下にずらり、洗濯物を干した。

お父さんはリハビリへ。さて今度はお母さんとできたての生麹を受け取りに行く。
隣町の美容室が受け取り場所。麹屋さんは中でヘアカット中のようで美容師さんが麹を渡してくださった。ここで美容師さんから話を聞き、連絡を取っていただいたおかげで麹屋さんと出会うことができたのだそう。お母さんのこれだと思った時の行動力には本当に驚くが、快く受け入れてくださった麹屋さんに感謝したい。
生麹を受け取りほっくほくで家に向かって帰る。途中、地域のお堂で新年のご挨拶。お堂のあたりは見晴らしがよくてのどかでなんだかほっとする好きな場所だ。近くに素敵な空き家もあって、わたしはその空き家に人が集まる景色を想像したりする。いい家だなぁといつも思う。

小豆粥の準備とお昼ご飯の支度。昨日いただいたキャベツでお肉なしの簡単お好み焼きをつくる。千切りキャベツに紅しょうが、干しエビ、鰹節、卵、小麦粉、お水を入れて混ぜる。お好み焼きは買うよりも作る方が好きになってきた。お母さんは本家でいただくキャベツがお気に入り。確かに小ぶりだが肉厚で美味しいキャベツ。キャベツが主役のお好み焼きもすっごく美味しくできる。

小豆と玄米を1時間ほど浸水しておいた。あとで思ったが小豆の浸水時間は1時間では少なすぎるようだ。圧力鍋で火を通したあともかたいものが残っていたりした。
小豆と玄米、水をきりフライパンに移して炒っていく。30分くらい乾煎りした玄米はおせんべいのようにこんがり香ばしくなる。これだけでおいしいおやつになるが今日はこれを圧力鍋で炊いてお粥に仕立てる。時間をかけて、手間暇かけて作る小豆粥に一年の無病息災の願いを込める。

午後はゆっくり。朝が早かったのでやたらと眠たい。15時くらいに昼寝から起きて洗濯物を取り込み畳んだ。晴れたりくもったり、雪がぱらぱらまったり不安定な天気だったが、洗濯物はしっかりと乾いてくれた。

キムチの下準備もしておく。天日で干した白菜を刻み塩を揉み込みジップロックへ。重しをきかせてひと晩水、白菜の水を出していく。浅漬けの下漬けと同じような要領でキムチも漬けていくのだな。塩の分量は適当に、全体に行き渡るくらいにふってみた。いつだったかYouTubeでおばあちゃんが漬物を漬けている姿を観たが、塩を袋からがばっとつかみ、適当にぱらぱらと白菜にまぶしていた。わたしもいつかこんなふうに感覚で漬物の塩加減が分かるようになりたい、かっこいいなと思った。確かに水を出すための下漬け用の塩は適当でもいいのかもしれない。何度も何年も作り続けていきたいもの。目で見て、味見して、さわって感じながら、自分の美味しい懐かしい味に仕上げていけるようになりたい。

カレンダーの裏を使いお父さん用のエプロンのシミュレーションをしてみる。実寸大でやってみた方がお父さんもイメージしやすいと思った。完全オーダーメイドのお父さんの導尿用のエプロン。工夫しながら快適に、使いやすいものにしてみたい。ひとつ作れば何か見えてくると思う。やってみなければわからない。パターンはわたしが作り、縫い合わせるのはお父さんもやってみたらいいかもしれない。自分自身で作ったということはお父さんの自信になるような気がする。お父さんの不便さをみんなで一緒に共有しながら考えていきたい。

使わなくてはいけない食材に追われることが少なくなったので夕飯は軽めにできるようになった。今晩の小豆粥から徐々におかずの量も減らしてみようと思う。お父さんは年末年始で体重が1.6kg増えていたらしい。おかずがたくさんあるとなぜかついつい食べるご飯の量が増えてしまう。おかずは少なめ、玄米ご飯をたっぷりよく噛んでが理想。おかずがたくさんありすぎるとご飯を食べる時もなんだか落ち着かない。シンプルな食事は心を落ち着かせる。お正月料理の名残りからか、わたしの味付けもだんだんと濃くなってきているように感じるのでそちらも気にしてみよう。
今夜は小豆粥たっぷりに大根おろし、大豆と煮干しの甘辛煮の静かな夕飯。小豆粥にはごま塩と梅干しを入れて食べた。ぽわぽわでやわらかく香ばしいお粥になった。それをゆっくりと噛んで食べる。

お正月気分はこれでほんとにほんとにおしまいにする。晴れやかな、料理が中心のお正月から日常を支える静かな食事へバトンタッチする。キムチを仕込んだり、お味噌を仕込んだり、お父さんのエプロンを作ったり、新しくやってみたいことがいくつか湧いてきているのでそちらに集中しながら進んでみたいと思う。
今日一日、時間をかけて小豆粥を作りながら、いろんなことにあちこち手をつけなくてもいいから、ひとつひとつをしっかりと丁寧にやっていこうと思えるようになってきた。

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