日記 2024.7.20(土) 寂しさの根源に触れる。
4時からごろごろ。朝から30度くらいはあるようだ。それでも扇風機の一番小さな風だけで過ごしてみる。意外といける。汗はかく。ガーゼのシーツが汗を吸ってくれるので気持ちがいいまま横になっていられる。
夜から雨の予報ではあるが日中は晴れるようなので洗濯機を回す。梅干しを干すにはまだ適さないけれど、こうも暑いと洗濯物はよく乾きそうだ。洗濯物を干して雑巾掛けもした部屋、見渡すとさっぱりして気持ちいい。これだけで十分気持ちが満たされる。
ふと、わたしは誰もがいますぐにできることを実践し、それをことばにしてみたい、そんな気持ちが湧き上がってきた。
朝の気持ちのいい時間に図書館へ行こう。バナナをかじって番茶を淹れて、梅生番茶を半分飲んで出かける。陽射しが強く日傘をさして図書館へ。途中、梅干し用の干し網の支払いも済ませた。届くのが楽しみ。ベビーカーに乗った赤ちゃん、周りを囲われてなんだか暑そう。途中で可愛い声で泣き出してしまった。弟夫婦の赤ちゃんと同じくらいだろうか。かわいい、かわいい。
図書館のカフェで400円のホットコーヒー(持参した容器に入れてもらうと50円引きになる。)片手に頭の中を整理する。ふかふかの椅子、ここだと自分にすぅーっと集中することができる。こういう場所をひとつ見つけておくといいなと思う。家の中にこういう場所があるのも憧れるけれど、気分も変わるので別な場所だからいいかもしれない。
お昼が過ぎお腹が空いたので家に帰ろう。その前にやっぱりこだわりの八百屋さんへ寄る。太陽が一番てっぺんにある時間に外を歩くとやっぱりすごい。日傘をさしてもアスファルトの照り返しが容赦なくささってくる。流石にぼーっとしてくる。八百屋さんの中で涼みながらキャベツと切らしていたカレースパイスを買った。今回は甘口。辛さは控えめで香りのスパイスが多めに入っているのだそうだ。
家にもうちょっとで着くというくらいで水分補給をする。ものすごい汗をかいているけれど、体が冷たい飲み物を欲しがっていない。冷めて常温になった番茶をひと口飲む。これで十分に水分補給ができる。この夏まだ冷たい飲み物を持ち歩いていないのだけれど問題なく過ごせている。通常運転では冷たい飲み物って実はそんなに必要ないのかもしれない。エアコンの温度も今までより2度上げて28度で快適に過ごせているし、足も冷えていない。汗をかいて体はむしろ喜んでいる気がする。暑さに慣れることができたら夏もこわくはないはずだ。
さてお腹が空いたのでお昼ご飯とする。冷蔵庫にある野菜を使ってパスタにする。昨日買ったオクラも入れよう。ねばねばした食材はわたしにしっかり食欲を与えてくれる。今日は鰹節も入れてだしの効いたパスタにしてみた。たくさん汗をかいたので梅干しを入れたり塩を多めに入れたりしてみる。こういった微妙な調整、自分と会話しながら作る昼ごはんが楽しい。
お昼ご飯のあと少し横になったけれど眠れなかった。仕方がないのでベルギーリネンのワンピースをまたまたお直ししていく。肩ひもの長さが微妙に短くて中にTシャツを着るとぱんぱんになってしまうのだ。今度こそ納得のいく仕上がりになった。それから次に作ろうとしている古代ギリシャワンピースも裁断だけしておいた。古代ギリシャって、要は長方形の生地を前見頃と後ろ見頃と用意して簡単に肩と脇を縫い合わせただけの作りということなのだが。タイトルをつけるとわたしが面白がって喜んでくれるので仕事がはかどる。素敵なタイトルがつけられたらもうそれでうまくいく。
16時からは坂口さんのインスタライブを聴きながら台所へ。これで一旦終了になるであろう紅しょうがと、ザワークラウトを作っていく。紅しょうがはたっぷり買ったので1kg弱あった。これで売り切り!の札が下がっていてわたしの背中を押した。いやぁ、でも思い切って買ってよかった。たっぷりと紅しょうがをストックしておくことができそうで安心した。また秋になったら作ってみたい。
2kgのどでかいキャベツで作ったザワークラウトはうまく乳酸発酵しなかった。ザワークラウトを失敗したのは初めてだったので、理由を考えながら今回は慎重に作ってみる。今日買ったキャベツも1.7kgくらいある。作りながら、前回は大きくざくぎりに切り過ぎたこと、塩とキャベツをしっかりと揉み込んで水分を出していなかったことを思い出した。前回はキャベツを買ってから日にちが経っていて半分焦って漬けたのだった。漬けてから数日しても水分は上がってこなかったしキャベツもかたいままだった。においも良くならなかったし、なにより食べたときにあの心地よい酸味がないのだ。
ザワークラウトは、最初の時点でキャベツがしんなりとして水分が十分にでるまで揉み込むことで浸かりが早くなるそうなのだが、室温の高いいまの時期は特にこの作業が重要なのかもしれない。今回はしっかり揉み込みキャベツの水分を出してからジップロックに詰めた。失敗から学んだことを活かすとしっかりと自分の中に定着する。
塩で食材を揉み込むのは楽しいけれどやっぱり体力を使う。今日はここまでで終わりにしよう。お昼ご飯をたっぷり食べたので今夜は豆乳グルトとバケットをかじって夕飯の代わりにした。夕飯も無理して食べない日をつくると気持ちがいいしおだやかでいられる。
今朝、図書館に向かって歩きながらぼんやりとわたしの寂しさについて考えていた。わたし寂しさの根源は別れ、にあったのではないかという仮説を立てていたのだ。わたしは大好きな人やものと別れることが大の苦手だ。恋人や友だちとの別れ、家族との別れ、大事にしていたものとの別れ、わたしはそのどれもがさみしくてこわいと感じている。
友だちをたくさんつくらないことも、少し距離を置いて仲良くなり過ぎないようにすることも、結婚したり家族を増やそうとしないのも、ものを手放したりして小さく小さくいようとすることも、もしかしたら別れをできるだけ減らそうとするための無意識の行動なのかもしれない。でも、わたしはわたしとは一生別れることはできない。ずっとずっと一緒にいるしかないのだ。
そのことに気づいたとき、すべてのさみしさがすーっと引いていくような感覚があった。これはわたしにとって大発見だった。なんとも言えない安心感がわたしの中に広がっていくのを感じた。
ずっと一緒にいられるよ、大丈夫。
寂しさの根源に触れ、わたしはまた少し安心を手に入れられたような気がする。