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日記 2024.12.29(日) 年の瀬の夕方の出来事。
朝寝坊。今朝は特に寒かった。お母さんも朝方トイレに起きてまた横になって寝てしまった。ものすごい大きな声の寝言を言っていたからよく眠れなかったのかもしれない。今日はゆっくりしてもいいと思った。
8時過ぎに起き上がり台所へ。お父さんが薪ストーブの前に座って朝ごはんを待っていた。やや寝ぼけながらも昨日の夜のうちに段取りをつけておいた朝ごはんを支度していく。冷凍庫の中にスペースを確保するために朝から肉まんを蒸し、お味噌汁の残りと冷蔵庫に残っていたお好み焼き、ねぎとしいたけの煮物、かぼちゃの煮物を盛り合わせて出した。蒸したり温めたりに朝から薪ストーブの上が大活躍した。
今日の予定を確認。お父さんはしめ縄作りをすると言っている。わたしがPinterestで見つけた蛇の形の立体しめ縄を作ってみると言っている。きっと上手にできるだろう、楽しみだ。
わたしは今日は台所の床の掃除をやっていくことにしてまずはいつもの家事をやっていく。お母さんは睡眠不足のせいか今日は気分の浮き沈みが激しいようで朝からぷんすかしたりしていた。お父さんとわたしは特に反応せずしばらくそっとしておくことにする。お母さんは買い過ぎてしまった豆餅を三番目のお兄ちゃんのところへ届けに出かけて行った。
今日は一日薪ストーブの火を絶やさないようにする。数年前から外に干しっぱなしになっていた薪はよく乾燥してよく燃える。大きなリンゴ箱いっぱいに入っていた薪も一日でなくなってしまう。いまうちにある薪もあっという間になくなってしまうのだろう。
時々薪ストーブの火を確認しながら台所の床を掃除していく。掃除機をかけてお酢のスプレー片手に雑巾掛け。17畳の台所の床拭きはちょっと大変だが掃除し甲斐があるくらい汚れていた。
朝ごはんが遅めだったのでお昼ごはんの時間も少しずらす。外でしめ縄づくりをしていたお父さんが寒い寒いと帰ってきた。薪ストーブの番人を変わってもらい、私はお昼ご飯の支度。これまた冷凍庫の場所確保のために合挽きミンチを使って3色丼をつくることにした。
お父さんに薪ストーブで調理してもらおう。大根葉を細かく刻んで炒め、卵とミンチもそれぞれそぼろ状にしてもらった。お父さんは三色丼を3食丼だと思っていたことが発覚。どれを昼に食べるのか、ととぼけたことを言っていて笑った。お母さんは薪ストーブの前でご飯を食べるのが気に入っていてお昼ごはんも焚き口の前で食べていた。
お昼からも引き続き台所で床掃除をする。しかしその前にちょっとお昼寝しようということに。なんだか今日は三人とも眠たいみたいでお父さんも自分の部屋で横になると言っている。お母さんとわたしは台所のカーペットの上、カーテンを閉めて並んで眠った。
30分ほどしてからわたしは目が覚めた。横ではお母さんが寝息を立ててまだ眠っている。わたしもなんだか気持ちが良くてまだまだ横になっていたいような気分だったがお父さんがこりゃいかんと起き上がって台所へやってきた。午後からは台所の出窓の窓拭きをすることになっていた。
台所で寝転がる二人組を見てお父さんはそっとさっていき窓拭きを始めた。寒いけれど気合を入れて起き上がり、しっかりと着込んで外に出る。別の作業があるというお父さんに代わりわたしが窓拭きをする。
数年前からヤモリが棲みつくようになり台所の出窓の窓ガラスがよく汚れるようになった。ブラシとスクレーパーがセットになった道具を使って手を伸ばし、窓を拭いていく。手は冷たいが動いているうちにだんだん体が温まってきた。お母さんはまだ横になっている。
窓拭きが終わってお父さんの作業を見学。しめ縄用の縄が綺麗に紐状に整えられていた。これをどう巻いていこうかと考えるお父さん、楽しそう。
冷たい空気に晒されてこれ以上は乾きそうにない洗濯物を取り込み再び部屋に戻ってきた。薪ストーブの前で冷たくなった洗濯物を乾かしていく。薪ストーブは本当に万能だ。
お父さんとウラジロという植物を採取しに山に入ることにした。やっと起き上がることができたお母さんはお墓へ花を供えにいくと言う。寒いのでしっかりと着込んでいこうと声をかけた。
夕方、まだ暗くなる手前の時間に山へ。結構傾斜のある道。お父さんは電動カーで、わたしは歩きでゆっくりと山を登った。砂防ダム付近、じいちゃんが掘った井戸の脇にウラジロの群落はあった。ウラジロとは名前の通り裏が白いシダ植物でお正月飾りによく使われる。この群落地にあるウラジロは大きさもあってものがすごくいいらしくお父さんはいつも取りに来るのだそう。冬の山の中にわーっと広がるシダの群れはなんだか不思議な景色だった。いくつかお父さん好みのウラジロを採取。左右のバランスが良くて適度に大きさがあるもの、こだわりがあるらしい。
少し高台になったこの場所は数年前に大規模な土砂崩れの起きた現場。仰々しい砂防ダムを見るたびに毎回複雑な気持ちになるのだが遠くの山々がきれいに見えて見晴らしのいい場所であることは確かなのだ。ここに初日の出を見に来たらいいかなとお父さんに言ったらここじゃあ低すぎると笑われた。
軽トラックに乗り換えてお父さんと回覧板を回しにいくためにドライブ。集落の中をぐるっと回っただけでもなんだかいい気分転換になった。途中でお墓で作業するお母さんを見つけて声をかけたが届かなかった。
家に帰ってきて台所掃除の続き。床の雑巾掛けを終えてまだ夕飯まで時間があったのでコンロ周りを掃除してみることにした。少しずつ日が暮れていく。
家に入って薪ストーブで暖をとってから自分の部屋に戻っていたお父さんに電話が入った。お母さんからのようで内容はよく分からないがしばらく話をしている。電話を切ったお父さんが動揺していて話を聞くと、買い物へ行った先の駐車場で車の向きを変えようとしたところ、信号待ちしている車にぶつかってしまったらしい。幸いこすった程度で相手の方もお母さんも怪我はないということ。年末のバタバタした時期だから運転を気をつけようと朝言ったばかりだった。
わたしは状況もよく分からないから口出ししなかったけれど、後から思えばもう少し話を詳しく聞いて相手の方への対応について配慮すれば良かったと思った。そういう部分の判断や立ち回りが二人ともすごく下手だということを後から思い出し、しまったと思った。
改めて、相手への配慮は日頃の自己への配慮の上に成り立つのだと感じる。怪我がなかったのだから、相手の方も大したことがなくて良かったと言ってくださったからとそんなことに甘んじて真摯な対応を怠るということはあってはならないことだと思う。これから改めていきたい部分がよく分かった。小さな共同体として、これからわたしたちが改善すべきことがはっきりと見えた出来事だった。