日記 2024.2.20(火) 人生フルーツ/朝が長い/土のことを調べる/カカオのジェラート
4時過ぎに目が覚める。大好きなつばたさんお二人を追ったドキュメンタリー『人生フルーツ』を観る。公開当時、お二人にまた会いたくなって何度も映画館へ行った。樹木希林さんのナレーションで「こつこつ、ゆっくり」という言葉が繰り返される。わたしの頭の中で呪文のように唱えてきたことば。いつかお二人のように暮らしてみたい、そう思ってきた。
思いがけず無職になったことは、ある意味わたしにとって最初の「挫折」だったのかもしれない。上手くやってる、楽しく働いている、役に立っている、そんなおごりがあったのかもしれない。そんなことに気付かされ、つばたさん夫妻をお手本にいまの暮らしを始めるようになった。折に触れて、お二人の本を読み返してみたり動く姿を拝見するとなんだか励まされるような気持ちになる。このまま進んでみたいそう思う。
ひとりでできることはなんでもひとりでやってみなさい、そうすれば何か見えてくるから。修一さんのことばを胸に始めた自分だけのちいさな暮らしを、今日も始める。
7時ごろ起き上がり顔を洗って洗濯機を回す。まだ外は暗い。わたしは暗いのが大好きだから、本来早起きも向いているはずなのだ。
洗濯用洗剤を補充するともうなくなりそうになっていることに気づく。すすぎ0回の洗濯洗剤、『森と・・・Step』を買ったのが10月。2月いっぱいは持ちそうなので約4ヶ月持つという計算。1ヶ月約670円と考えるとこれまで買っていた洗剤とほぼ変わらない。洗濯時間も短くて使う水の量も少なくて済むとなればこのまま使うメリットのほうが大きい。もう一種類のラベンダーの香り『海へ・・・Fukii』を今度は買ってみよう。少ない持ち物で小さく暮らすなら、洗剤もじっくり吟味してみる。朝からこんな計算をしていることが楽しい。
朝が早いので今日はしっかり朝ごはんを食べる。食パン半分と豆乳グルトにきな粉とバナナ。食パンにはハチミツとシナモンをかけた。
そういえば昨日の夜歯磨きの後にハチミツをひとさじなめてから寝てみた。たぶん花粉の影響なのだがのどの乾燥や渇きで違和感があったのがすっと消える。咳もでなくなった。カキのハチミツはあっさりしているのでそのままでもいいかもしれないけれど、すこし口の中が甘いままなのが気になった。ハッカ油を混ぜて歯磨きとして使ってもいいみたいなので今度はそうしてみようかな。ハチミツは口腔内の衛生を保ったり、虫歯予防にもなるらしい。面白いことはなんでも試してみたい。
雑巾で床を拭きあげる。昨日の雨は窓のサッシまで濡らしていたようだ。風が強かったもんな。雑巾がけをすると必ずと言っていいほど黒ごまを見つける。食事をしている台所だけじゃなくて部屋にもいたりする。今日も部屋で見つけた。
フリサイトに本を出品する。朝日が入っていい具合の写真が撮れてしまった。集めていた暮らしの雑誌たち。2004年とか2006年とかかなり古いものもあったけれど、今みても写真も美しいし面白い。
出品し終わりひと息入れる。4時から起きていると昼までが長い。休憩しながらでもまだ10時。11時にはお昼ご飯にしよう。昨日のカレーを早く食べたくて仕方がない。
12時ちょっと前にご飯を温め始める。うちにある1番大きなお皿にザワークラウト、らっきょう、千切りにんじんを盛りつけておく。カレーも温めていただきます。
ザワークラウトがやっぱりいい。ほんとうにキャベツと塩だけでこのしゃきしゃききゅっきゅっとした心地よい食感と旨みが生み出されているのかと思うと不思議でたまらない。キャベツから出た水分にとろみがある。この液体に何かほかの野菜を漬けたりできるのかな。
お昼ご飯を食べてすこし横になって本を読む。ハチミツの本、手づくり食品の本、楽しいなと思いながら読み進めてすこしうとうとする。今日はすごく暖かくて窓を全開開けている。気持ちがいい。足元を温めていたヒーターもとめる。カラダが硬く感じるので伸ばしたりひねったりしてみる。
おやつに黒ごませんべい、ぬか漬けのきゅうり、ザワークラウトを食べる。ザワークラウトはお皿に盛り付けてお箸でつまむ。カラダが乳酸菌を欲しがっていたのだろう、噛むたびにきゅっきゅっとカラダが喜んでいる気がする。
肩が重いので座るのをやめて散歩に出かける。今日は朝からどんどん気温が上がっていてインナーにシャツ一枚で外へ出た。それでも暑い。外へ出て歩き出したら肩の重さはすっかり感じなくなっていた。嬉しい。途中の道にカワヅザクラ。もう6分咲きくらいになっていた。かわいい桃色の世界があたりに広がる。鼻をつけてサクラを感じる。お気に入りの植物や動物と触れ合う時、なぜか無意識に鼻を近づけてしまう。
家から1番近い図書館へいく。土壌のこと、土のことが気になって3冊くらい気になる本を手に取り座って読んでみる。微生物の話、科学的で難しい本はちょっといま読む気にならなかったのだけれど、「よくわかる土中環境」とういう本はイラストを交えて分かりやすかった。つばたさんがはげ山にどんぐりを植えて森を再生しようとしていたこと、落ち葉を畑に蒔いていた様子の意味が具体的に分かった。また、土砂崩れは土の環境の変化から起きているものかもしれないという見解には驚いた。
数年前に実家のすぐそばで起きた土砂崩れ。いつも通る道、実家の裏手にそびえる山が突然牙を剥いた、そう思っていた。崩れた山にはいまは大きな砂防堰堤が完成している。実家に帰りその砂防堰堤を見るたびになんとも言えない気持ちが込み上げてくる。わたしの足元の土のこと、もっと知りたいと思った。
帰りにジェラート屋さんへ寄る。この間食べそびれたジェラートのことを忘れていなかった。どれも食べてみたいので本当は4種類くらい選びたい。でもひとりだし持ち帰りは1カップに1フレーバーなのでぐっと堪えてカカオ味にしてみた。家まで10分くらい。家に着く頃がちょうど食べ頃かな。
家に帰り窓を開けてジェラートの蓋を開ける。いい具合にまわりがじゅくじゅくしてきていた。スプーンですくって食べる。美味しい。チョコレートっぽいアイスは普段コンビニなどでは買わないけれど、今日はカカオフェアだったので選んでみた。大正解だったな。濃厚だけれど後口さっぱり。カカオ味のジェラート、大好きになりそうだ。
洗濯物を畳んで戻す。すこしずつ陽が落ちて部屋もいい暗さになってきた。マットレスを敷く。もう寝る気満々。布団を敷くとほっとする。
夕飯の前に絵を描いておく。窓を開けて遠くに電車の音が聞こえる。夕方のこの時間は家の中にいても大好きな時間だ。
夕飯はお野菜をたっぷり使ってお味噌汁にしよう。ひらたけ、玉ねぎ、ねぎ、里芋、ザワークラウト、乾燥しいたけ、お揚げ、豆腐、納豆、オートミール、そして玄米餅。生姜麹と切り昆布の出汁にハトムギ粉、みかんの皮を乾燥させて粉末にしたものも入れる。やさしくマイルドな旨み、何杯でも食べられそう。困ったな。
フリマサイトに出品していた商品が売れたので風呂上がりに発送に行く。夜でも今日は暖かく気持ちがいいな。ほわっと梅のいい香りがした。春だな。
もうすぐ無職になって10ヶ月になる。まだわたしの小さな暮らしは始まったばかりだ。