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社交ダンス;前進のウォーク(後退の動き方は既投稿)「福頼氏のブログ」から抜粋 ②


投稿が順番通りではありませんが、前進は誰でも出来ると思っていたので、先に「後退」が出てしまいました。この後の投稿も順序不同で「姿勢」なども含めて、「基本に戻る」を合言葉にしっかりと土台を固めていきます。

まず、先に福頼氏の記事を読んでみてください。その後に私の経験などの解説・講釈をします。
<  >は福頼氏が引用したボルテクの教科書からです。


フットワーク



英国式のウォークが身に付いたら、
片足が後ろに残ってガクンとつんのめることはなくなります。

これで、スウーッと振れて浮かぶダンスに変わる道が見えてきました。
山登りにたとえると、
正しい登山道に一歩踏み入ったことになります。

とは言っても、
足が揃ってもまだ浮かびませんし、どうすれば足が揃うのかもまだ良く分かりません。



それを可能にする足の使い方をフットワークと言います。



技術書には
ワルツのナチュラル・ターンの第一歩を次のように記述してあります。
<1.右足 壁斜めに面して前進、CBM、右回転を始める、1の終わりでライズを始める、
フットワーク HT(ヒールトー)、スウェー 直>

用語の説明で次のように示してあります。
特注
< 「ナチュラル」 及び 「リバース」 ターンについて
全ての "ナチュラル" ターンは右に、全ての "リバース" ターンは左に回転することである。>



「フットワークはヒールトーだ」と聞いたことのある人は多いようですが、それを、
初めにヒールが床に触って、次にトーが触るのだという誤解がとても多いのです。

ヒールは床に触るだけではありません。

後ろの足から送り出された体重を受け取る時に、
初めにヒールで体重を受け取り、その支えが途切れないようにトーまで体重を運んで、
更に前方へ送り出す。
この働きのことをフットワークはヒールトーだと言います。

*体重の受け渡しを、スクリブナーが
『人から人へ西瓜を手渡しする要領』 と言うのはこのことです。

次の人に渡すためには、西瓜を持ち上げながら差し出さなければなりませんから
ダンスの場合はトーで床を下向きに押さえてその反発力で体重を持ち上げ、
床を後ろに押す事によって体重を前に運びます。

西瓜を差し出す腕は肘が曲がっているのと同様に、体重を送り出す足の膝は曲げる事が必要です。

渡された人は西瓜を持ち上げながら手元に引き寄せるのと同様に、
体重を受け取る足はヒールで床を下向きに押さえて
その反発力で体重を持ち上げると同時に、床を引き寄せる力をかけて
体重を受け取ります。

「スクリブナー」はこの仕事をプッシュ・アンド・プルと言います。

このような仕事をする為に全身の筋肉には常にある種の緊張力が必要で、
その力をトーンと呼んでいます。

西瓜を落とさないためには持ち上げておく力が必要なように、
ダンスでも体重を床に落とさないために
足で床を下向きに押さえて、その反発力で体重を持ち上げておきます。

体を伸ばして空間に浮かばせ、頭が高い位置にあるような気分になることが必要です。

固形物の足があるから体が床に落ちずにいられると言うのではだめです。

足にかけるこの力をフットプレッシャーと呼びます。

『踊り手の身長とは、足から頭のてっぺんまでではなく、頭のてっぺんから足までである。』
アンソニー・ハーレイ(1969年-1972年 全英チャンピオン)

スイング 「ステップ・アンド・スイング」


スタンダード五種目を
タンゴ と スイング・ダンス (又はムービング・ダンス) と呼ぶことがあります。

タンゴ 以外の四種目は スイング と呼ばれる独特の動きで踊られ、
この動きが
他のどの種類の踊りとも異なる ボールルームダンス の本質的な特徴となっています。

スクリブナーは
『スイングとは、ウォークの後をボディーのスイングが引継ぎ、
ボディーがスイングすることによって脚がスイングすること』
と述べています。

一歩前進した体には、慣性の法則によって前進し続けようとする惰力が生まれていますから、
この惰力を生かし更に加速して、
ちょうど振り子が振れるような動きを作って踊るのです。

正しいウォーク、正しいフットワークでなければ、 惰力を生かすことが不可能です。

両足で交互に体を推進して走り回るのとは、根本的に異なっています。
スイングの動きは、男女を問わず前進する人が作ります。

練習・普段の歩行の中で思い出したら、一歩でも二歩でも、トーで体を前方に運んで下さい。

ライズ・アンド・フォール


ウォークの項で、ステップした足に後ろの足が揃うところまでを説明しましたが、
そこで別の仕事をしなければなりません。

一歩前進したことによって体に生まれた惰力をより強めて加速するために、
膝を前にほうりこむようにして踵を高く上げ、
体重をトーに乗せて体を持ち上げます。

この仕事をライズといって、スイングするためには不可欠の要素です。
<1の終わりでライズを始める>

脚に水泳のクロールストロークのような床を後ろに掻き抜く力をかけて、
体を前方の空間に放り上げます。

体重の無い足が股間節を曲げて勝手に前に出て行こうとしますから、
ヒップと一体になって振れるように、
体の下に吊り下げておかなくてはなりません。

振れる足のトーは軽く床をさすっておかないと、墜落しそうで不安になります。

床から1センチしか離れていなくても、墜落しそうな不安感に変わりはありません。
軽く床をさすって、常にここに床があるという感覚を保ち、
いつでも体重を受け取れるように準備しておくことが必要です。

ワルツでは
<1の終わりでライズを始め> <2でライズを継続し> <3でなおライズを継続し、終わりでロァー>
となります。

飛行機にたとえれば、1が滑走を始めて離陸したところまで。
2と3は空中を飛行している状態。
3の終わりでロァーするのが着陸と言えます。

このような
<足、脚、及びボディーを通して行われる上下運動> を 「ライズ・アンド・フォール」 と言います。
ダンスを解析して、一要素として捉えた運動の名前です。

その運動については、
体を高い位置に持ち上げる動作、又は高い位置にある状態を 「ライズ」 と言います。

体の高さを低くする動作のことを 「ロァー(lower)」 と言い、
低い位置にある状態を 「ダウン」 と言います。

ここまでです。


「フットワーク」<H・T>の意味は、”初めにヒールで体重を受け取り、その支えが途切れないようにトウまで体重を運んで、更に前方へ送り出す”ことをヒール・トウと言います。このフットワークは通常は各フィガーの前進者の第1歩目のステップで、ダンスは動くと理解する。なぜか?一番力が出る動きですから。

後でも出てきますが、ダンスでは第1歩が非常に重要だということがわかっていない人が少なくない。第1歩も2歩も同じと思ってウォークしている踊りが多い。前進の時の推進者は男女に関わらず、推進力を作ること。

それにはどうしたら良いのだろうか。陸上競技の100mのスタートと同じです。ロケットの打ち上げの瞬間的な爆発力とも同じです。もし力が弱かったら助走なしではスプリントに乗れません。ロケットも落ちてしまうでしょう。

トウで床を下向きにプレスして作用・反作用の力で体重を持ち上げ、床を後ろに押す”⇒この動作は「走る形」と同じだと私は思います。だから走ることが出来るなら、速足が出来るならブラッシュアップしたダンスが出来ます、と過去に投稿しました。「歩くダンス」では弱すぎます。

体重を送り出す足の膝は曲げる”これは軸足の膝を曲げるということですが、社交ダンサーの方は、ダンスに対して娯楽性が強いので「立った歩くダンス」が主流です。年齢的な意味で無理ならそのまま楽しんでください。まだ動けると思うならそのように動いて運動能力維持に努めてください。

足腰から弱ってくるので太もも辺りの筋肉をダンスをしながら自然に鍛えるのです。散歩でも並足と速足では違います。エレベータには乗らないで階段を使うことも鍛錬になります。

後ろ脚の膝は曲げることです。

ですが殆んどの人は、床を引き寄せる力をかけないので、体重は後ろに残ったままです。スパイク靴を履いているように引き寄せること。直ぐにです。

上記の動作を「トーン」を持って行う。頭が上から釣られているかのように。多分、これと同じ表現が「ダンスの各動作にノーフットライズが一瞬でもある」ことと同じと思います。ノーフットライズとは簡単な言葉で言えば身長計測の際の姿勢です。1cmでも高くしたい気持ちの姿勢です。

足だけがスウィングするのではなくボディがスウィングすると脚もスイングすることになる”。これは私はボディでなく足だけでスウィングするものと思っていましたし、ライズも足首の力でと思っていました。ボディが上がれば踵も上がりライズする、とは知りませんでした。

慣性の法則により前進し続けるので、第1歩の推進する力は非常に大切です。”この後は惰力を生かして加速して振り子が振れるように動く”だから第2歩、第3歩はすべて第1歩の勢いで動くことになる。

これを脚力を使ってしまうと一連のフィガーの動きに滑らかさがないダンスになる。流れないのです。

この意味は”正しいウォーク、正しいフットワークでなければ惰力を生かすことは不可能になる”ということです。例えば、ステップする足が平行でなければ、トウで体を前方に運ぶことは出来ないしライズも難しくなる。

1歩前進したことにより体に生まれた惰力をより強めて加速するために、膝を前に放り込むようにして踵を高く上げ、体重をトウに乗せて持ち上げる”
これはスタッカート法でタンゴの足の動きで普通に行われるが、スウィングダンスでも第1歩では使っている。それは一番力がでる動きだからです。

ワルツでは、<1の終わりでライズを始め>、<2でライズを継続し>、<3でなお継続し、終わりでロアー>となります。

これを違った表現で言い換えれば、ワルツでは「3の終わりで重力を利用してロアーすると次のフィガーの推進力を自然に作ることが出来る」。

ライズとは両足を揃えること=高くなる、ロアーとは両足を開くこと=低くなる。

以上です。







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