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オートファジーで手に入れる究極の健康長寿 ⑥ 「スイッチ」抜粋 ジェームズ・W クレメント著

第5章 小児てんかんと世界的サイクリスト
 
古代ギリシャでは、てんかんは「転倒病」と呼ばれた。てんかんの発作は、突然身体が引きつり、全身がけいれんし、麻痺の兆候を示し、時には口から泡を吹くこともある。現代では、てんかんは脳の神経細胞が正常に機能しなくなることで起こる。いつ発作が起きるかはわからない。発作が起きると、痙攣が止まらなくなり、「前兆」と呼ばれる異常な感覚が生じたり、意識を失ったりする。「転倒病」と呼ばれていたのはそのためだ。
 
近代的な農業や食品流通産業が発展する以前、人類はたびたび、深刻な飢餓を経験して来た。紀元前5世紀以来、ギリシャの医師は、軽度の飢餓がてんかん患者に与えた影響を観察し、てんかん患者に断食や定期的な食事制限を進めてきた。現在でも、食事療法は薬を使わずに症状をコントロールできる最も効果的な方法のひとつだ。
 
現在の食事療法を簡単に説明すると、「ケトジェニック・ダイエット」で高脂肪、低糖質の食事を与える。または、食事中の飽和脂肪酸【動物由来の脂質】を、中鎖脂肪酸(MCT)と呼ばれる飽和脂肪酸の一種に置き換える。ケトン体はMCTから効率的に作られるため、食事療法に取り組む人は、標準的なケトジェニック・ダイエットよりも糖質を多く摂取できるようになる。MCTは認知機能の改善や体重管理に役立つことが実証されている。ココナッツオイルが健康に良いと謂われているのも、MCTが多く含まれているからだ。
 
医師がてんかん薬を利用できるようになると、ケトジェニック・ダイエットは人気を失ったが、難治性てんかんに対して薬を使わずに副作用のないケトジェニック・ダイエットに挑戦している医師もいる。食事療法は他の治療法とともに、主流の治療法とみなされるようになり、45か国以上で実施されている。
 
最近の研究によれば、この食事法は、自閉症児、脳腫瘍(特に膠芽腫)、多嚢胞性卵巣症候群、肥満やメタボリック症候群、ニキビ、筋萎縮性側索硬化症(ALS,ルー・ゲーリック病)、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病、気分障害、うつ病に有効な追加治療法になる可能性がある。

マウス実験では、海馬の記憶障害が改善され、健康寿命が延びた。このように、ケトジェニック・ダイエットは、脳だけでなく全身に良い影響をもたらす。

 
ケトジェニック・ダイエットの勘所は、糖質を可能な限り減らし、脂質を多く(総摂取カロリーの7~8割を脂質にするのが一般的)、タンパク質を適度に摂ることだ。この食事法は、「身体の基本的な機能を維持するためには、本当に糖質が必要なのか」という疑問を提起する。

よく、「ブドウ糖(グルコース)は身体の主なエネルギー源で、特に脳を動かすのに欠かせない燃料」と言われている。また、「脂肪の摂取量は1日の総摂取カロリーの2割以下に抑えるべき」との指摘もある。実際のところ、データは何を示しているのだろうか。

 
【フランスの学者、ルイ・ケルヴラン、1901年~1983年)生体内における酵素やバクテリアの作用により、一つの元素が別の元素に転換するという生物学的元素転換、Biological Transmutationsという理論を提唱したことで知られる-ウイキペディア。
 
現代栄養学・医学は三大栄養素が基礎になっているが、これが本当に真実なのかという問題。ケルヴランの理論は、マクロビオテックにも通じる理論で桜沢如一も賛同している。「どうして鶏は卵を毎日生むのに卵の殻は柔らかくならないのか、毎日大量のカルシウムを食べているのか」。

今は本を調べないとはっきりしないが、確か珪素という原子がカルシウムに原子転換されることで殻が硬くなる。人体もタンパク質や脂質、炭水化物と分けなくても体内では精巧な「原子力発電所」があって必要な原子は他の原子から転換され作られる。

 
この理論を認めてしまうと栄養学は崩れてしまうので無視されてしまったという話。千島喜久雄博士の血液学ー赤血球と血液は互いに転換しているという理論、血液は骨髄でつくられるのではなく=現代医学、腸で食物が分解・消化された後、絨毛により吸収され作られる。

御茶ノ水クリニックの故森下敬一博士も西洋医学は分解・消化された食物がどの経路で骨髄まで運ばれ血液になるのか説明はしていない。腸で造られる方が理に適っている。この理論を認めてしまうと現代医学は根本的にやり直すことになるのである種の科の大家などは絶対に認めず無視して来た。

 
これは今回のワクチン騒動でも言える。ワクチン推進派は決してワクチン反対派の学者と議論をしようとしなかった。ただ無視する。これは科学者の態度ではない。また、政治家はマスコミを使い言論弾圧・検閲で反ワクチン派の主張が普及しないようにテレビや新聞に圧力をかけた。戦前の日本の大本営発表がすべて正しい、になってしまった。

日本だけではない。先の大戦でナチズム、ファシズム、全体主義と戦ったと言われる連合国の場合も、今回のコロナ騒動で彼らが言うところのナチ、ファシスト、全体主義者に自らがなってしまったので恐ろしい。人類は歴史から何も学んでいない】。

 
【ここで一つ問題を喚起しておきます。現代医学や栄養学、或いは他の分野の特に生物を対象にした科学は、「現在知るところに寄ると」という条件を付けながら読む必要があると思う。

確立された理論も、場合により間違っているかも知れない。間違っていても今更戻れないので無視して行こうという考えもあり。正直な科学者が多いとは思うが、歴史的に浅い科学はそういう目で見る必要がある。必ずしも権威ある学者が書いたものが正しいのではない、権威ある学術誌に発表されたから真実ではない、現時点では正しい、真実であるという目で見る必要がある。

この本にある「研究結果」もいつ誰かにより覆されるかも知れないし、覆されないかも知れない。古代の先人の非科学的な教えが正しい場合もあり、これは何世代にわたり人類が経験して来たことを基にしているからだ。この本の著者もギリシャの修道士の食事法に関して何千年の歴史があるので、今更実験する必要が無いという。

食事に関しての健康法は、私は「それは自然かどうか」で判断している。例えば、肉を食べなさいと言っても、肉になる動物はすぐに捕まるのか、そこら中に食用になる動物はいるのか、など考えたら肉食というのは毎日でないと思うべきである。

また、日本の代替医療の人たちが言うように、「動物の食性はその動物の歯型で決まる」人間の臼歯が一番多いのは何を意味している。ワニには臼歯は必要あるのか。「原子転換」理論は真実なのかもしれない。】。

 
アスリートの持久力実験で解き明かされた秘密
ケトジェニック・ダイエットによりアスリートのパフォーマンスが向上したと言う。「脂肪を食べれば体脂肪が減り、速く走れるようになり、心臓病も避けられる」という主張は理屈に合わないとされたが、ケトジェニック・ダイエットの効果を示す多くの証拠を提供している。

食事を変えることにより、糖尿病のような重大な病気の症状を数週間で抑えられるようになるなら、糖尿病ではない人にも大きな効果が得られるはずだ。
【代替医療の糖尿病の治療法は簡潔に言えば、「玄米」であるしカロリーは1100キロカロリーほど】。

 
ケトジェニック・ダイエットの科学
ケトジェニック・ダイエットは代謝的、生理的に見て、多くの点で断食に似ている。私は興味を持ったので自分自身を実験してみることにした。菜食のケトジェニック・ダイエットを3年以上続けることになった。私の疑問は、この食事法によって、「mTORを抑制し、オートファジーを誘発する」という断食と同様の効果を得ながら、同時に十分なカロリーを摂取できるのか、だった。

適切に行えばそれは実現できそうであったが、残念ながら、カロリー制限や断食、タンパク質制限と異なり、ケトジェニック・ダイエットにはそれを習慣的に実践していて、かつ際立った健康効果が見られる特定の集団(ラロン症候群の低身長症患者、沖縄の100歳以上の人々、アトス山の修道士など)が見当たらない。

もしこうした集団がいれば、臨床試験を行わなくても、この食事法が長期的にどのようなアンチエイジング効果をもたらすかを調べられる。だが、それは叶わないので、科学的に検証しなければならない。

 
ケトーシス状態を導くカロリー計算
平均的な体重の(約68kg)の男性の全身には5リットルの血液が流れており、血中には常に約80キロカロリーのグルコース(ブドウ糖)が存在する。筋肉に蓄えられたグルコース(グリコーゲンと呼ばれる)は約480キロカロリーで、肝臓にも約280キロカロリーが貯蔵され、合計880キロカロリーが直ぐに使える状態になっている。
 
体重68kgの人が1時間に消費するカロリーは睡眠時で約48キロカロリー、静かに座っている時で68キロカロリー、買い物や雑用などの軽作業で102キロカロリー、家事やガーデニングなどの作業時で170キロカロリーになる。夕食を午後6時にとり、その後4時間静かに過ごしてから就寝し、8時間眠ったとすると、朝6時までにグルコースやグリコーゲンの4分の3が消費される。
 
糖質を12時間以上摂らないでいると、体内に蓄えられたグルコースやグリコーゲンが使い果たされ、体内の「本物」の貯蔵エネルギー源である脂肪が燃やされ始める。体重約68kg、体脂肪率22%の男性の場合、約15kg、13万5000キロカロリー分の脂肪組織に蓄えられた中性脂肪(トリグリセリド)を利用できる。1日の平均的な消費カロリーは2000キロカロリー前後なので、脂肪がこれだけあれば、数か月間の断食や飢餓を切り抜けられる。
 
体内に蓄積されたグルコースとグリコーゲンが使い果たされ、次に脂肪が燃焼され始めると、肝臓はケトン体と呼ばれる代替の燃料を生成する。ケトン体が血中に増えると「ケトーシス状態」になる。断食をした時や、長時間睡眠でグルコースをすべて消費して起床した時、或いは、激しい運動をした後などに、誰でも軽いケトーシス状態を経験する。

ケトーシスは人類が進化を通して得た重要な適応だ。科学ジャーナリストのゲーリー・トーベスによると「この軽度のケトーシスは人間にとって正常な代謝状態と言える。なぜなら、人類史の99.9%において、私たちが普段口にしているような糖質の食べ物は存在していなかったからだ。人間にとって、ケトーシスは、ごく自然な状態であるだけでなく、非常に健康的な状態である」。

 
人類は進化の過程で、カロリー豊富な食べ物として脂肪(特に肝臓、脳、骨髄などの脂肪組織)を求めてきた。また、氷河期では、糖質の食べ物は夏の時期にしか手に入らなかった。これは人間が甘いもの、特に糖質を好むようになった理由かもしれない。夏にしか口に出来ない炭水化物を出来る限り摂取するように、糖質の食べ物を特別においしく感じる仕組みが自然の摂理によって備わったのだろう。だが、狩猟採集時代、夏以外の季節では、私たちの健康を保ち、引き締まった身体にし、元気にしてくれた食べ物は脂肪だった。
 
糖質を摂ると、インシュリンの分泌が促される。糖質を過剰に摂取して大量のインシュリンが分泌されると、脂肪が作られ、身体に蓄えられる。その結果、脂肪を燃やす能力も低下する。加工食品メーカーは、高糖質の加工借品に「低脂肪」という宣伝文句を使う。

こうした加工食品を食べると血糖値は急激に上昇し、食欲は増進し、インシュリンが分泌され、脂肪は蓄えられ、「節約」のために脂肪燃焼を抑え込む。代謝のスイッチが「成長モード」に切り替わったままになるため、オートファジーは強く抑制される。

 
現代人を死に追いやる犯人は、多くの場合、精製糖質の多い食事だ。研究者はこう結論づけている。「糖質摂取量の多さは、総死亡率の高さと密接に関係している。ところが、脂質の摂取量の多さは総死亡率の低さと関連する。各タイプの脂質、脂質全体とも、摂取量の多さは心血管疾患や心筋梗塞になるリスク、心血管疾患の死亡率とは関係がなく、飽和脂肪酸の摂取量の多さは脳卒中の発症リスクと逆の相関(摂取量が多いほど、発症が少ない)があった。

世界各国のの食事のガイドラインは、これらの知見を踏まえて再検討するべきだ」。【日本人にとっては、精製された糖質の問題だと思う。脂肪も植物油の酸化が問題になり、今ではバターが見直されている。マーガリンやショートニングが成分表にあったら買わない方が良い】。

 
高糖質の食品の大量摂取をやめ、食事から多くの健康的な脂質を摂らなければ、インシュリンの過剰な放出は続き、糖尿病になる可能性もある。実際、2型糖尿病の治療法として、加工・精製食品を使わないケトン体生成を促す食事への切り替えが次第に広まりつつある。

インシュリン抵抗性や糖尿病とは無縁の人も、ケトジェニック・ダイエットが糖尿病などを改善するメカニズムを理解しておくことは役に立つ。
ケトン体生成がもたらす脂肪燃焼と体重減少の強力な効果を理解し、正しく用いれば、オートファジーをうまく活性化できるようになるからだ。

【故甲田光雄先生の本では玄米で糖尿病を治す。断食、1日のカロリー摂取は1100キロカロリーでなければいけない、と書いてあったと思う。ケトジェニック・ダイエットが日本人の食習慣で大量の脂質が受け入られるかが問題。基本的には白人の身体が基礎になっていることに注意。彼らはあの40度くらいのウイスキーやウォッカを割らないで飲むくらいだから胃壁は脂肪でコーティングされているのだろうか。西部劇のバーで小さなグラスに注ぎ、ストレートで飲む。今もそうだ、またロシア人も乾杯と言って飲み干す。日本人がやったら胃を悪くしてしまう。】。

 
【ケトジェニック・ダイエットと糖尿病の記事が長いので第5章はカットして、著者も述べているが「ケトジェニック・ダイエットは万人向けではなく、1年中続けられるものではない」と。私は、日本人には玄米菜食を基本にして、昔の昭和30年以前の和食を摂りながら必要に応じて2食にしたり断食をしたりして間欠的な「飢餓」をつくるのが基本だと思う。これにより、オートファジー状態を作ることが出来る。豪華な食事は冠婚葬祭の時まで待とう】。【横浜市立図書館にはこの本が蔵書としてあります】。
 
 

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