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【前編】賢者ロジャーズの共感の魔法🌟リフレムの魔法講座


1.ハルカの悩み

(夕暮れの書斎。窓の外では橙色の光が木々の間を照らし、静かな風がカーテンを揺らしている。リフレムの机の前に、ハルカが座っていた。彼女の顔には悩みの色が浮かんでいる。)

ハルカ「リフレム、私、どうしたらいいかわからないんです。」

リフレム「ふむ…どうしたのじゃ?」

(リフレムは杖を軽く握り、穏やかな目でハルカを見る。)

ハルカ友達がすごく落ち込んでいて…なんとか励ましてあげたくて、一生懸命声をかけたんです。でも、全然元気にならなくて…むしろ、私の言葉が届いていないような気がして…。

(ハルカは机に置いたノートの端を指でなぞりながら、小さくため息をつく。)

ハルカ「『大丈夫だよ』とか、『元気出して』って言っても、友達はうつむいたままで…私、どうしたらいいのかわからなくなっちゃいました。」

リフレム「ふむ…ハルカよ、それはな…《言葉の魔法》を間違えておるのじゃ。」


2.ロジャースの「共感の魔法」

ハルカ「言葉の魔法…?」

リフレム「うむ。おぬしは、賢者カール・ロジャーズを知っておるか?」

ハルカ「カール・ロジャーズ…? いいえ、初めて聞きました。」

(リフレムは満足げに頷き、杖を軽く振ると、机の上に一冊の古びた本が現れる。その表紙には、柔らかな光を放つ文字が浮かび上がっている。)

リフレム「ロジャーズは、人の心に寄り添う魔法を極めた偉大な賢者じゃ。彼の魔法は、“共感”を軸にしておる。」

ハルカ「共感…?」

リフレム「そうじゃ。“共感”とは、ただ相手を励ますことではない。相手の気持ちを理解し、あたかも、同じ体験をしたかのように、感じようとする事なのじゃ。」

(ハルカは真剣な表情でリフレムを見つめる。)

リフレム「励まそうとすると、人はつい“ポジティブな言葉”を使いたくなる。『元気出して』『大丈夫』…そう言いたくなるのじゃな?」

ハルカ「はい。でも、それだと全然届かなくて…。」

リフレム「それはな、落ち込んでいる者にとって、“自分の気持ちを分かってもらえていない”と感じるからじゃ。」


3.共感の魔法の使い方

リフレム「では、ロジャーズの魔法を使って、正しい“共感の言葉”を試してみようかの。」

ハルカ「正しい共感の言葉…?」

リフレム「うむ。まず、大事なのは“相手の言葉をそのまま受け止める”ことじゃ。」

ロジャースの「共感の魔法」

  1. 相手の言葉をそのまま受け取る
     → 『つらいんだね』『苦しかったんだね』

  2. 相手の感情を言葉にする
     → 『何を言っても気持ちが晴れないんだね』

  3. 無理に励まそうとしない
     → 『今はただ、その気持ちのままでいてもいいよ』

ハルカ「えっ…? それって、励ます言葉じゃないですよね?」

リフレムそうじゃ。無理にポジティブな言葉をかけるのではなく、相手の気持ちをそのまま映すことで、“自分の気持ちが分かってもらえた”と感じるのじゃ。

ハルカ「なるほど…!たしかに、《大丈夫》って言われると、《大丈夫じゃないのに》って思っちゃうこと、あります…。」

リフレム「そうじゃろう? だからこそ、まずは相手の気持ちに寄り添い、共にその世界を感じることが大切なのじゃ。」


4.ハルカの挑戦

(ハルカは静かに頷きながら、ノートに「共感の魔法」のポイントをメモする。)

ハルカ「リフレム、ありがとう。私、友達の気持ちを“変えよう”としていたのかもしれません。でも、本当は“その気持ちを分かろうとする”ことのほうが大切だったんですね。」

リフレム「うむ、それでこそ、心の魔法を学ぶ者じゃ。」

(ハルカはノートを閉じ、ゆっくりと立ち上がる。)

ハルカ「私、もう一度友達と話してみます。今度は“励まそう”じゃなくて、“分かろう”とする言葉をかけてみます!」

リフレム「よいぞ。それこそが、ロジャースの教えを活かすということじゃ。」

(ハルカは微笑みながら、静かに書斎を後にした。)


✨補足:リフレーミングの魔法✨

「励ますことは、無理に前向きにさせることではない。
相手の気持ちを映し、共に感じることで、
人は少しずつ、自らの力で前を向いていくのじゃ。」

後編↓後編に続きます!


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テツオ@カウンセラー【フォロバ100です】
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