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「一度だけ すいかどろぼう やりました」

 表題は、昨日早朝のNHK俳句、兼題「西瓜」で第一席とされた句。
 
 選者の木暮陶句郎氏は1961年生まれの62歳、名前の如く陶芸家であり俳人、両分野とも各賞を得る名人だ。彼にとっては共通するものがある・・・というより、彼のなかでは同じものなのかもしれない。
 
 彼が西瓜について言うには・・・・
 
江戸時代に西瓜の栽培が始まる。
明治時代になると海外からも西瓜が
交配して色々な西瓜が出来る
冷蔵庫がなかったので、残暑の厚い中
井戸で冷やした西瓜を食べるのが楽しみの一つ
 昭和になって冷蔵庫が出来て
でっかい西瓜が冷蔵庫に入らないので、小玉西瓜が開発された
核家族化が進むと、カット西瓜 キューブ西瓜
切って売るようになった
西瓜は変化している、その変化を俳句に詠んでもらったら面白い。
 
 全国からの応募作から特選九句が紹介される。
 
晴れて第一席に選出された句が、
一度だけ すいかどろぼう やりました (丸田征男)
 
 本当にすいかどろぼうをしたとすれば、前科一犯だが、多分時効なのだろう。子供のころ、夏休み中に愛媛の叔母の家に預けられた時、畑から西瓜をもいで家に運んできたら、叔母が庭の井戸に入れて冷やしたことをおもいだした。すいか畑に柵などあるわけがなく、今思えばその気になれば他人がとっていくことは簡単だった。
 
 勿論、私はすいかどろぼうをしたことはないが、それでも過去に何度か何らかをしているのは間違いない。法律違反とまでは言えないが、自分の失敗を人に押し付けたとか、人を傷つけたとか、苦い思い出はかなりある。それが人生と言えばそれまでだが・・・・
 
 第三席の句は、
メロンより 西瓜の好きな 妻が好き (塚本治彦)
 
 当家の監視人殿もブランドもの、装飾類には全く興味がなく、実用一点張り、もっぱらテレビショッピングで食べ物とサプリを買っている。我家でメロンを食べたことは・・・・記憶にない。
 
 他に面白かった句は、
西瓜すき ママがすき 兄ちゃんきらい (門未知子)
 
叩いても 分からぬままに 買う西瓜 (佐々木康二)

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