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引き抜き 9.仕上げ
2014年2月業界トップのA社から、当社の販売店を取り込む戦争を仕掛けられた。売上5000トンを取り戻そうとY商事東京支店販売店の支店長以下主要な営業マン4人を引き抜く画策をして、1か月後、全員からY商事を退職し、当社に来るとの返事をもらった。 当社の販売子会社が新営業所を設置して、体制を整えるべく準備している。
9.仕上げ
Y社のT東京支店長を含む4名の当社への移籍が決まり、営業所新設の目途もついた。後は無事に体制を整えて実行するだけだが、簡単ではなく、その後も紆余曲折が続いた。
・営業室長からのメール
引き抜き対象者5名の辞表提出は全員終了しました。
第一陣 4月14日E氏
4月15日F氏
第二陣 4月21日S氏夫妻
T支店長は4月3日に社長へ提出したが受理されなかったため、
4月16日総務部長に4月3日付けの辞表を送付したとのことです。
実際の退職日はこれからY商事と打ち合わせになります。
なお、T支店長・S氏はE氏・F氏が当社に来ることを知りません。
・続けて営業室長からのメール
Y商事のY社長に動きがありました。
先週金曜日にY社長が急遽、東京支店に来たとのことです。
Y社長は、E氏、S氏を引き留めるために3時間程度説得した後、本社に引き返したとのことです。
なお、T支店長は本社取締役から岐阜に呼び出されており、計画的なT氏不在状況での説得と思われます。
E氏からのヒアリングでは、辞める理由は「会社への不満」とし、当社へ入社する話は一切しなかった、とのこと。
Y社長の動きは時既に遅く、周回遅れだが、心情はよくわかる。いずれにしても、当社は既に決まっていることを粛々と進めるだけだ。
・営業室長からのメール
引き抜き対象者の退職日をご連絡します。
S氏夫妻・E氏・F氏→5月末で退職確定 6月1日当社入社希望
T支店長は調整中、後任への引継ぎがあり、6月中旬になりそうです。
・営業室長から引き抜き1名追加のメール
営業本部長とともにT支店長と面談し、以下の話がありました。
千葉の若手営業マン(30歳)に声をかけたい。
対象者は千葉のメイン工事業者を担当している。
T支店長が辞めることを話したら、一緒に行きたいと言っている。
T支店長のみたてでは、千葉の営業は練馬新店舗で対応できる。
・続けて営業室長からのメール
Y商事千葉の引き抜き対象者と面談し、(当社ではなく)子会社のN商事への移籍について打診しました。前向きに考えてくれるとのことです。
理由は、
① 信頼しているT支店長が辞めてN社(当社)に行く。
② 東京支店の中心メンバー3名が退社する。
(昨日Y商事社内でオープンになった。)
③ 千葉支店は今後撤退する可能性がある。
現状のY商事にかなりな不安を感じているようです。
・引き続き営業室長からのメール
千葉若手から、「N商事の件、宜しくお願いします」との連絡がありました。実際に入社するのはT氏のあとになると思われます。
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今回の引き抜きの大筋は以上の通りです。勿論、細かい紆余曲折は多々ありますが、書いても面白くないのでこの程度とします。
私個人は6月末の株主総会で予定通り社長任期を終え、あとは後任の社長に託すことになります。
なお、この物語は、全てフィクションであり、実在する全ての人、会社とは何ら関係ありません。