「君なきことを目盛りで学ぶ」
日曜日の早朝はNHK俳句、今日もいつもの如くNHKプラスで視聴した。今日の選者は歌人の俵万智さん、ゲストは大河ドラマ俳優の木村達成さん、木村さんは大河ドラマひかる君で三条天皇を演じている。
今月のテーマは「数字を入れる」。短歌の中で効果的に描写をするときに数字が役に立つ、具体的でイメージしやすいとのこと。応募作品からの入選九首が紹介され、なかで次の一首が印象に残った。
2合炊き、0.5杯の洗剤に
君なきことを目盛りで学ぶ 太田城治
俵さんの解説では・・・・大切な人(パートナー)が亡くなり、それを数字で実感している。二人なら3合、4合焚くけれど、1人なら2合で間に合う、洗剤も0.5杯で充分、自分が1人になったことを暮らしの中でこの数字に出会う都度感じる、とのこと。
監視人殿は神妙な顔をして聞いていた。今は毎日私と二人分のご飯を炊き、二人分の洗濯をしているが、やがて全ては一人分で間に合うようになる、あらためてしんみりと理解したようだ。
この歌とは別に、入選9首から選ばれた特選三首は、
一席
子を連れて戻ると聞いた君を待つ
八年分のドーナツ買って 阿部裕
幸いなことに私は離婚も別居もしたことがないので、リアル感がもう一つ・・・・。
二席
みすずかる信濃の山の遠けれど
ホクトのしめじ72円 塩本抄
三席
友に送ったメールの返事を待つ二時間
五日は待てた手紙の頃は 村田知子
かつて新幹線が開通したので関西出張が日帰りになり、携帯電話を持たされて出先迄時間管理をされるようになり、サラリーマンの労働が強化されたことを実感したものだった。
番組ではこの後、大河ドラマでまひろと道長の歌が披露されるが、明日の記事で紹介します。
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