見出し画像

「文士たちの大一番」

  文芸春秋12月号の巻頭随筆で、作家の朝井まかてさんが、「文士たちの大一番」を投稿している。
 
 朝井まかてさんは私の好きな作家の1人。歌人中山歌子を描いた「恋歌」は2013年から2014年にかけて、本屋が選ぶ時代小説大賞、直木賞、(第一回)高校生直木賞を連続して受賞している。私は「阿蘭陀西鶴」、短篇集「草々不一」なども印象に残っている。
 
 以下、まかてさんの随筆から抜粋する・・・・
 
 澤田瞳子さん、東山彰良さん、高樹のぶ子さんと共に、葉室麟さんのお墓参りをして帰りにお茶をしている時、「文士劇したいなあ」と口に出したのがきっかけで、ほんまに始めてしまった。演劇は携わる人数か多く、大掛かりになる。時代物は衣装代がかかる、資金の目途は全くつかない。学生服とセーラー服なら衣装代がかからない。黒川博行さんが、東野圭吾に、デビュー作「放課後」を使わせてもらいたいと頼むと快諾してくれた。
 といった経緯で作家たちの放課後活動が始まった。出演者は総勢16人黒川、東山、澤田、朝井の4名で実行員会を組み、緒方面のプロも参集してくれた。すべてが同時進行、主催・制作はしろうとの実行委員会で、全てが当たって砕けろ、無謀、無計画で苦難の連続だったが、大変なことに真の楽しさあるらしい。資金集めに、クラウドファンディングに挑み、想像以上の支援を頂いた。
 現段階は台本の読み合わせと立ち稽古を何回か終えたばかり、ジャンルもキャリアも世代も違う作家たちが、ただひたすらに稽古に励む。
 11月16日、私たちは舞台に立つ。普段は筆一本で世を渡る作家が、いかに身体で表現できるだろうか。文士劇は・・・これもやはり創作行為なのだ。観客とスタッフと出演者たちで創る、一度限りの舞台・・・・
 
 作家が演劇の舞台に立つ、これは面白そうだとネットで「なにげに文士劇2024実行委員会」を検索すると直ぐに出てきた。
  なにげに⽂⼠劇2024旗揚げ公演「放課後」原作「放課後」、
  あらすじと出演者の詳しい紹介、
  会場:サンケイホール 大阪市北区梅田ブリーゼタワー7F
  公演日程(11月16日16時)」チケット価格 8,000円
 
 脚本・演出の村角太洋氏によれば・・・この劇は私にとって間違いなく記憶に残る劇になります。いや、私のみならず多くの人の記憶に残る劇になると思います。その誰もの記憶を、より芳醇で美しく、面白く楽しいものにしなくては。2024年秋、大阪から文士劇の風を。気合いは十分です。

いいなと思ったら応援しよう!