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引き抜き 3.T支店長への働きかけ

 2014年2月業界トップのA社から、当社の販売店を取り込む戦争を仕掛けられた。対抗措置として、Y商事東京支店の主要な営業マンを引き抜き、売上5000トンを取り戻そうと画策している。敵が気づく前に、素早く秘密裏に進めねばならない。
 
 
 3.Y商事の T支店長への働きかけ
 
 早速、当社営業室長がY商事T支店長と会い、Y商事を辞めて当社へ来てもらえないか、可能性を打診した。
 
・営業室長から私&関係者(4人)への社内メール
 昨日T支店長と話をして、私から以下を伝えました。
当社はTさん以下主要メンバーに当社に来てしていただきたいと考えている。
来ていただければ、当社の正社員として迎えたい。
そのうえで、当社の販売子会社N商事に出向していただく。
処遇は相談して決めたいが、現状を上回ることとする。
 T支社長の感触は悪くなく、しばらく考える時間をいただきたい、とのことでした。
 
 T支店長の感触はよさそうだ。彼と当社営業室長は長年の戦友であり、親しい友人でもある。業界トップA社は販売店を格下に見ており、上から目線だから、当社からの誘いに心が動かされたのであろう。何としても実現させなければならない。
 
・私から営業室長へのメール
 ご苦労様でした。
私がT支社長と直接会って、当社の誠意、本気度を実感してもらいたいので、セットしてください。
 
 数日後、昼食を共にすることになった。夜、一献を交えようかとも思ったが、大袈裟すぎるとのことで、酒なしの昼食となった。場所は築地の寿司屋2階の個室、参加者はT支店長、当社営業室長、私の3人だけ。
私からT室長に話した趣旨は、
 「既にお聞きでしょうが、わが社は新たに御社東京支店の近隣に営業所を新設するので、その責任者として当社に来ていただきたいと思っている。誠意をもってお迎えするので、疑問、要望など、何なりと営業室長に言っていただきたい。」
 T支店長は真摯に話を聞いてくれたようで、誠意は通じたと思う。勿論、その場で返事があろうはずはないが、社長の私と会って話を聞いたとの事実が重要であり、それは達成された。

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