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藤井君復調か

 昨日は将棋叡王戦の第4局だった。
 
 藤井君は叡王を含めて、竜王、名人等八つの将棋タイトルを独占し、世に藤井八冠と言われている。タイトルを獲得するには、強者ぞろいのプロの棋士を相手に挑戦者決定トーナメントを全て勝って挑戦者になり、更にタイトル保持者との番勝負に勝たねばならない。強いことは勿論、多分に運も必要だ。藤井君がずば抜けて強いことは勿論だが、運にも恵まれているようだ。
 
 今、藤井叡王に挑戦している伊藤七段も藤井君と同じ21歳、現在の将棋界でも、飛びぬけて若い。2人とも我孫の如くだが、頭は格別いい・・・・らしい。昨年は伊藤君が藤井君に二つのタイトルで挑戦したが、いずれもストレートで敗れた。全敗ではあったが、内容は紙一重の将棋ばかりで、ABEMAの実況中継をはらはらしながら眺め、これぞトッププロの将棋と堪能させてもらった。
 
 藤井君は過去の22回のタイトル戦で、全て余裕をもって勝っていたが、今回の叡王戦で初めて1勝2敗とカド番に追い込まれ、藤井君、初のスランプかと、心配していた。叡王戦は持ち時間各4時間(チェスクロック方式)、タイトル戦では一番短く、最後は時間に追われて、番狂わせが起きやすい。
 
 昨日、朝9時に始まり、序盤はお互い手慣れた定石通りに進む。昼食前後で動きがあり定石から離れて藤井君がリードし、そのまま徐々に差を広げて、最後は鮮やかに寄せ切った。伊藤君にチャンスはなく、藤井君の復調を思わせる一局だった。これで2勝2敗のタイに持ち込み、次の第5局で決着がつくことになった。第5局は6月20日に予定されている。
 
 この間、6月6日に棋聖戦5番勝負が始まり、山崎八段の挑戦を受ける。更に7月6日からの王位戦7番勝負では渡辺九段の挑戦を受ける。渡辺九段は昨年藤井君に名人のタイトルを奪われているからリベンジマッチだ。

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