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沖縄の光と影

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駆け抜けた刹那の色彩の輝き
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光と影(1)

光と影(1)

私の沖縄は 常に瞳孔が開き切った 濃密な時の記憶。

目に映るものが全て 鮮やかでなまめかしく 湿度を伴って
命を宿し 揺れ動き 空間の壁を隔てることなく
我が身に一心に向かってくるような そんな沖縄だった

なぜ急にそんな思い出が フラッシュバックしてきたのだろう
この強烈な暑さにやられた脳が
あの頃の私たちを 記憶の底から 浮かび上がらせてきたのだろうか。

大学を卒業したその春
迷うことなく

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光と影(2)

光と影(2)

ストリッパーの彼女たちが東京に帰ってしまった後には
入れ替わり立ち替わり 誰かが寝泊まりして行った。
そこで生活する人たちの顔が変わっていく度に
遊び方のニュアンスも 変わっていった。

誰かがどこかで手に入れてくる
聞いたこともないようなものを 仲間たちといつも共有した。
一人ではやりたくないっていう 心理も働いたのかもしれない。
そこにいる仲間たちと一緒にだったら
怖くないって思いもどこかにあ

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光と影(3)

光と影(3)

沖縄の表と裏。
光と影。
外の顔とウチの顔。

観光客の目を避けるようにして 鬱蒼としげる森の中にある御嶽。
地図にも載ってないその場所に足を踏み入れたことがある。

沖縄には御嶽(うたき)と呼ばれる
神社に相当する、神聖な祈りの場がある。
地元の信仰の要になっている場所なので
むやみやたらに足を踏み入れることは禁止されている。
畏敬の念を持って 入ることが可能な場所までは 参詣することができる。

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