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伝えられなかった想い
ローラ・パーマー最期の7日間を見たのは多分25年前だ
人生でいちばん自分を追い込んでいた時期であり
その頃はどん底に突き進むまま突き進むほかにどうすることもできないように思えていた
スカパーの映画チャンネルで放送されたのが初見だった
当時はいまのような動画配信サービスがなかったから繰り返し見るためにVHSをたくさん買った
(私は何度も同じ映画を見るためテープが劣化してしまう)
Questions in a world of Blueが流れるBARでローラが泣く場面と
ローラを見るドナの異様な視線に猛烈に心を揺すぶられた
肺にどかんと入ってくるきついタバコのような衝撃があった
自分とローラを重ねて見て
簡単に言えばそれがきっかけで私は正気に戻った
リンチ&バダラメンティがいなければ私の人生は違ったものになっていた
私は救われたと感じている
当時はすでにパソコンはいじっていたとはいえ
今ほどなんでも便利に検索にひっかかったかといえばそうでもなく
ジュリー・クルーズという歌手が歌ったということしか把握せず
そのまま25年ほど過ぎた
25年の月日は瞬く間だった
夢がさめたら今日になっていたといってもいい
時代が変わっていつでも好きなときに好きな映画を見られる時代になった
好きな曲も簡単に探せる時代になった
そんな折、リミテッドイベントシリーズの存在を知った。
2017年にすでに公開されていたが気づかずに6年も経っていた
私にとっては本当に25年後だったのも感慨深い
第11章 「あなたが向かう場所に火がある」の終盤に
ハートブレイクという曲が流れ、遂にアンジェロ・バダラメンティの名を知った
25年前Question~Blueのシーンをみたと同じ衝撃を感じた
今の私は劇的に何かを変えなければいけない背景を持っていないが
自分の心の中で突き動かされるものが確かにあった
伝わらなくてもいいから
遠いどこかの国にいるすごい作曲家アンジェロ・バダラメンティに私が経験した25年に2度の衝撃を手紙にしたためて送るべきだと私は思った
しかし彼は去年この世を去っていた