好きなものほど他人に上手に語れない、自意識強め王国の民のみんなにLOVE
「◯◯好きなんだっけ?」とか「◯◯のどこが好きなの?」とか話を振ってもらえたとき「いやぁ、まぁ、大したことないよ」「別に△△なんだけどね」と曖昧な笑顔で誤魔化したり、わざと少し卑下してしまったりする。そうすると、なんだかさっきまで大好きだったものが、本当に大したことがないような気がしてくる。最近まで放送していたドラマ「最高の教師」でも「好きと言うことは難しくて勇気のいること 好き、は自分をさらけ出すことだから否定されたら傷つく」と登場人物たちが言っていて、私はそれにすごく共感した。好きなこと、好きな人をきちんと「好き」だと表明することはすごく難しい。
そもそもなぜ私は好きなことを語ることが苦手なのだろうか、と考えた。
・他人に自分の「好き」を万が一でも否定されたくない。
これは「最高の教師」で言っていたことと同じかな。「◯◯が好きなんだよね」と言った時に「ふーん」とか「変なの笑」とか「えー!なんで?」とか言われたら、自分の大好きなものを汚されたような、傷つけられたような気持ちになってしまう。私の中では大切で大好きなものが他人にとってはそうではなかったり、もしかしたら嫌いだったりするかもしれない。それを突きつけられるのが怖いから、自分の好きなものについてはあまり語りたくないし、もし語らなくちゃいけなかったら先に自分で少し貶して予防線を張りたい。
好きな芸能人が炎上してたりすると、つらい。「お前の着てる服、ちょっとダサくない?」って言われてしまったような気持ちになる。とても嫌。
・好きな理由を言語化しようとすると難しい
これは友人が話していた。本当に大好きなもの、理屈じゃなくて感覚で好きになったものについて語ることを求められたときに、言葉でそれを捉えなおそうとするとうまくいかない。無理やり言葉で置き換えると、なんとなく借りてきた気持ちのようになってしまって「本当に私はこういう理由で好きなのか?この言葉は本当に私の気持ちなのか?」と疑問に思ってしまうし、好きな理由が何も言葉にでこないと「本当は好きじゃないのかもしれない」と自分の好きに自信が持てなくなってきてしまう。
言葉って本当に恐ろしくて、理由をたくさんつけて「だから好きです」と口に出せば、なんだか本当に好きなような気がしてくるし、逆に嫌なところをたくさんあげて「だから嫌いです」と口に出せば、それは嫌いな気がしてくる。心の中で大事にしていた大好きという気持ちを、人に伝えるように飾り付けをして口に出した瞬間に、さっきまで私が持っていた気持ちは少し形を変えてしまうように思う。
友人が「西加奈子の小説で「素敵じゃないけど大好き」、みたいな言葉があってすごく好きだった」と言っていた。
素敵じゃないけど大好き、素敵じゃなくても大好き。人に伝える用じゃない、自分の中での大好きを大事に持っておきたいな