【新訳】スティーヴィー・ワンダー - Living For The City (和訳) Stevie Wonder
つらい時代のミシシッピーに 彼は生まれた
ぐるり壁だけ それほど素敵な部屋じゃない
両親は この子を愛し 慈しんだ
”強く 正しく 生きていってほしい” って
この街で まさしく 最低限の生活をしている
父親は 週なん日かは 14時間はたらいて
稼ぎは やっと1ドル 本当の話だ
母親が あちこちの 床を磨きに行っても
ほぼ1セント以下だ 嘘じゃない
この街で まさしく 最低限の生活をしている
黒人であっても 姉は 文句なしに可愛い
スカートを短くしてはいるが まあ 脚は丈夫だ
歩いて登校してるから 早起きが欠かせない
彼女の服は 古いんだ 汚いんじゃない
この街で まさしく 最低限の生活をしている
兄は頭の切れる人で 人より意識も高い
そんな辛抱強い彼でも キレそうになるのは
干し草の山から 針を拾うような 就職活動だ
この街では 有色人種は 採用されないからだ
この街での生活は もう十分だ
(余裕がない 街のくらし)
街に生きる yeah
つまらない街じゃない
街に生きる yeah yeah
街であることには違いない
街に生きろ
クソで カスで 腐ってる…
街に生きろ
たいした街だ woo
さあみんな いっしょに 手を叩こう
街に拍手
街に拍手
街に拍手
… ニューヨーク行きのバスです!…
「おーい 運転手さん! 乗るよ 待って」
「どうもありがとう」
「Wow ニューヨーク イメージどおりだ」
「摩天楼に 何もかも」
…Hey hey ブラザー こっち来いよ…
…あんた イケてるなあ…
…5ドル 稼ぎたいだろ?…
「うん 稼ぎたいよ」
…これを 道の向うに運んでくれ 今すぐだ…
…いいか 道の向うに運んでくれ…
「何だよ? はぁ? わからない! なに?」
…車にむかって両手をあげろ 若造…
…連行する…
「ただ 道を渡ってるだけだよ」
…そっち 足もち上げて…
…口を閉じろっ…
「嫌だ 俺が何をしたんだ?」
…よし 回れ…
…両手を背中にまわせ 来るんだ…
…陪審員は 汝を有罪とみとめる 刑期は10年…
「何だと?」
…さあ ほら 房に入れ nigga…
「神よ 主よ」
彼の髪は伸び 脚は丈夫で 砂まみれ
ニューヨークの通りを 歩き続ける人生
大気汚染を吸い込んで 息も絶えだえ
投票はしてみたが 彼の困窮は 未解決のままだ
この街で まさしく 最低限の生活をしている
「俺の 悲痛な心の声を 聴いてくれ」
「よりよい明日を作る 意思を持ってくれ」
「この街は無慈悲だ ここよりも 冷酷な場所はない」
「俺たちが変わらないと 世界はすぐに終わる」
「全市民に十分な暮らしを 最低限はもうやめろ」