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チャッキーなんかじゃあない!スタンド攻撃だ!【イマジナリー 感想】


記事タイトル見て「重くそネタバレやん」と思った方すみません。つい思いついちゃって。

とりあえずレビュー書いていたんでどうぞ。

劇場予告に釣られて鑑賞。



怪奇現象を起こすテディベアということで、現代版チャイルドプレイを期待していたが、遠隔自動操縦型スタンドに苦しめられる話だった。



物語は、絵本作家ジェシカが家族(夫とその連れ子2人)と共に、幼少期に住んでいた一軒家に引っ越す所から始まる。その家の地下室で、次女アリスはテディベアの"チョンシー"と出会い、仲を深めていくのだが、彼女を中心に、次々と不可解な現象が起き始める………。




本作、中盤までの目玉は、一癖二癖あるキャラクター達の拗れた関係性だと考えている。


例えば主人公ジェシカ。彼女は義理の長女テイラーと打ち解けようとコミュニケーションを図るも、距離感を誤り益々壁を作られてしまう。


かくいうテイラーも愛に飢えているのか、精神病を患っている元の母親を勝手に家に呼んだり、妹の世話そっちのけで近所のクソガキを家に招いて騒ぎを起こしたりと、モラルのない行動ばかり。


そのクソガキというのも中々人間性が終わっている。テイラーにMDMAを勧め、家にある酒を勝手に飲み、そのままうっかりビンを破壊。人の家で立ちション、またまたうっかりで床にぶちまけ、それを拭かないどころかロクに手も洗わずトイレを後にする始末。(このガキの母親、クスリをビタミン剤って言ってたけど絶対嘘だよね。)


こんなゴタゴタが続く中、育児に一切干渉しようとしない父親マックスにも思う所がある。テイラーがジェシカを邪険に扱う中、それを叱るわけでもなく「娘が悪いね」と平謝りするだけ。そんな仲が悪い2人を置いて、長期で家を空ける始末。大体、思春期の娘との折り合いをつけないまま再婚相手と同居するのってどうなのかね?その家族に対する無神経さのせいで、前妻が病んじゃったんじゃないのか!?


……と、出てくるキャラクターに良い印象はないものの、端から見ている分には楽しいという昼ドラ的な面白さがあった。終盤、儀式を成功させるためのトリガーとして、ジェシカがテイラーへ心無い言葉を放つ件も、前半のギスギスがあったからこそジーンと来たね。





一方、本作のアイコンであるチョンシーのホラー描写。……正直こちらはかなり薄味な印象。チョンシーの目線が勝手に動いたり、いつの間にか瞬間移動していたりと、確かに不気味ではある。ただ誰かが大怪我したり死ぬといった実害がない故、そこまで恐怖を感じない。


その分バカでかい音とジャンプスケアで恐怖演出をカバーしていたものの………ただただ心臓に悪いだけだった。


不気味なBGM→遠くに見える謎の影→近づいてみる→何もいない→振り返ると化け物が!(爆音)


このコッテコテなB級ホラー演出を現代で観ることになるとはね。そりゃあ急に怖い顔と音出されたらビックリするけどさぁ……。それホラーとしての怖さじゃないやん。


ぶっちゃけ「チョンシー=ジェシカが生んた怪物」というオチも序盤から予想できたし、肩透かしだったのは否めない。




ただ終盤入ってからは色々驚かされたな。まさかイマジナリーワールドに直接行くなんてぶっ飛び展開があるとは、流石に読めなかった。


まずグロリアの豹変っぷりね。序盤サイコババァオーラぷんぷんで登場してからの、中盤の頼れる有識者ムーブでガラリと印象変わってたのに、最後の最後で「無限の世界だー!」とかマッドサイエンティストみたいな事言い出して笑った。折角なら、ただ食われて退場じゃなくて、チョンシーと合体してとんでもない化物に進化してほしかったな。それくらい良いキャラしていた。


テイラーが部屋に閉じ込められて、ミニプラネタリウム?が回り出す件も中々怖かった。熊のシルエットと、扉に描かれた巨大キョンシーが重なる瞬間とかは、素直に上手いホラー演出だったね。



ただイマジナリーワールドから逃げ出す前後の流れが思いの外地味に感じたな。


せっかく想像で何でも出来る世界って設定なんだから、即興で現世に繋がる扉作るだけじゃなく、チョンシーそのものに対抗できる武器なり化物を顕現させて欲しかった。それこそサイモン(ジェシカの絵本に出てくる悪い蜘蛛)が具現化、からのスタンドバトルとかだったら激アツだったのに。


"逃げ出せたと思ったらまだイマジナリーワールドの中でしたー"って件もクドい。ジェシカ父との擬似的な和解や、テイラーが助けに戻ってくるというエモ展開をやりたい気持ちは分かる。

ただわざわざ2回脱出する件を用意してまでやる意義は感じなかった。話の運び方次第じゃ一度の脱出劇内で済ませられそうだし。





………とまぁ色々思う所はあるものの、B級ホラーとしてそこそこ面白かったです。この雑さも込みで楽しむのがB級ホラーの醍醐味よね。


"子供の想像力がモンスターを生む"という設定自体は結構好みなので、続編では数多のイマジナリー同士が共食いを始める……みたいなお祭りホラーを見せてほしい。そんな18禁フォスターズ・ホーム、楽しみに待ってます。





余談。テイラーとクソガキ、どっちのチョイスか知らないけど、異性とウォームボーディーズ見るのはセンスあるな。参考になります。

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