クソ無責任というか、MARVELの責任を押し付けられたというか【デッドプール&ウルヴァリン 感想】
時間ないので前置きは今回ないっす。感想だけ読んでってください。
デップーファンです。過去のマーベル映画に関しても、ある程度履修した上で鑑賞。
感想としては………
「ダメな所は沢山あったけど、嫌いにはなれない佳作」といった所。
本作の性質上、話を上手くまとめる自信が無いので、ここからは良い所・悪い所それぞれ箇条書きで並べて行きます。
良かった点
・ギャグ描写
これは過去作一だろう。劇場じゃなかったら爆笑してたシーンが盛り沢山だった。ローガンへの文字通りの死体蹴り、昨今の杜撰なMCUに対する罵倒、崩壊した二十世紀FOXのロゴ、秒殺されるセイバートゥース、悪質なマッドマックスパロ、あとは「ブレイドは後にも先にもこのオレ1人だ(要約)」というウェズリー・スナイプスのセリフに対し、デップーが「(まぁ今新キャストで制作中なんですけども)」とでも言いたげな目線が最高だった。とまぁ数えだしたらキリがない。
特に笑ったセリフは「マルチバースやめよ?上手く行ってないじゃん」かな。いや確かにその通りなんだけど………お前ら(製作陣)の落ち度やろがい!
・アンカーの設定
人気キャラが死ぬ=シリーズが続けられなくなる=ユニバースが消失するというアイディアは斬新だった。メタネタだらけのデップーだからこそ成立したギリギリの設定だと思う。
………まぁ大分無理あるけどね?1個人の生き死にが世界の存続に直結してるってセカイ系じみてるし、仮にローガンが生きてたとしてもX-MENシリーズは詰んでたやろ。
・メッセージ性
本作は、MCU以前のマーベル映画を救済したかったのだと解釈している。1作限りの出演となってしまったローラ、ヒットしなさすぎてマーベルキャラと認識されているかも怪しいエレクトラ、企画が頓挫して映像化すらされていないガンビット。そんな、世の中から忘れられていたキャラクターに対して「確かに色々あったけど………みんな良い奴だったじゃん?」と認めてくれた感じ。まぁ残念ながら彼らの居場所はどこにも無く、結局虚無世界で葬られてしまうワケなのだが………。ただ最後の最後で華々しい活躍をしてくれたので、泣きはしないまでもジーンと来てしまった。ヒューマン・トーチ?そいつは知らん。
悪かった点
・ストーリーが支離滅裂
正直途中からついて行けなくなった。まずパラドックスがデップーを神聖時間軸に連れていきたい理由がよくわからん。まぁオワコンになりかけていたmcuへのテコ入れという制作側の意図は理解できるんだが、ストーリー上の動機が掴めなかった。
その後の展開も行き当たりばったりすぎて、悪い意味で先が読めない。
デップーがちゃんと人の話を聞かずに他所のユニバースからローガン連れてきて、一緒に虚無世界に追放されて、カサンドラから命からがら逃げて、元の世界に戻る鍵を握っているらしき集団を探して、やっぱりカサンドラを倒すことにして、帰れたはいいけどカサンドラもついてきちゃって、デップーユニバースを壊そうとして…………
とっ散らかりすぎ。ただでさえギャグが渋滞してるんだから、脚本はシンプルにしてくれ。
あと序盤でハッピーと面接してたけど、MCUとデップーの世界は別ユニバースなんだよね?何で対面できてるの?TVAと接触する前の話でしょアレ。メタギャグやるのは良いけどそこら辺の整合性は保ってくれや。
あとさぁ………恋人とは別れたけど、なんやかんや良い関係ですエンド、何回擦るのよ。スコットストレンジソーと散々やってきたやん。どうせ復縁しないって分かりきってるから、ウェイドの「世界を救ってヴァネッサとよりを戻したい」という動機に全然乗れない。
これまでのデップーって、やってることはメチャクチャだけどストーリーは手堅く纏まってたじゃん?それも魅力の1つだったのに、キャラも脚本もメチャクチャにしたらダメでしょ。
・ウルヴァリンがあんまり活きてない
X-MEN0以来の夢の共演なのに、イマイチ盛り上がらなかった。まずローガンの性格が変わりすぎている。アイツ長文罵倒するようなキャラじゃないでしょ。いや過去作の彼とは別個体なのは理解しているんだけど、ある程度これまでの文脈を踏まえた描き方してくれないと愛着湧かんて。
デップーとの絡みもさほど面白くない。だってローガン無愛想なんだもん。デップーのボケを全部スカして終わらせてしまうから全然盛り上がらない。
良かったのは2人で喧嘩してる件くらいかな。不死ならではのノーガードでの殺し合いは良かった。…………そんだけ。
・履修必須作品が多い割に旨味が少ない
だって客演キャラ単体にそこまで魅力がないんだもん。そりゃ出てきた瞬間は驚いたよ?でもそんだけじゃん。ノー・ウェイ・ホームのピーター達並の積み重ねがあるならまだしも、彼ら自体にドラマが無いから感動は出来ないよね。さっき過去のマーベル映画を救済してくれたと評価したけど、見方変えれば不人気作品の在庫処分セールだからなコレ。
・結局MCU救えてなくね?
本作でMCUへのテコ入れも多少入るのかと思いきや、そこら辺のフォロー一切なかったよね。何なら最後まで新生時間軸に介入しないし。それに本作が大ヒットしたとて「よーしこれからのMCUも追ってくぞ!」とはならんよね。ガーディアンズ3が公開された時と同じで、「他は別に見なくていいや」ってファンが大多数なのでは?
…………とまぁ文句を言い出したらキリが無いのだが、先述した「マイナーマーベル映画の救済」という1点だけでそこそこ好きな1本になりました。やっぱりマルチバースはやめようよ。次は他作品との絡み一切抜きに、デップー単品で楽しませてください。